文=酒井政人

2022年1月2日、第98回箱根駅伝、駒沢大の大八木弘明監督 写真=松尾/アフロスポーツ/日本スポーツプレス協会

ユニフォームの2強は?

 箱根駅伝のテレビ観戦を楽しみにしている方は多いだろう。そこで今大会をもっと深く楽しむために、知っておきたい豆知識を紹介したい。

 今回は連覇を目指す青学大と駅伝3冠を狙う駒大の2強対決が注目されている。両校は別の角度から見ても〝ライバル〟になる。青学大はアディダス、駒大はナイキからユニフォームの提供を受けているからだ。

 箱根駅伝は18年から、アディダス(青学大)、ナイキ(東海大)、アディダス(青学大)、ナイキ(駒大)、アディダス(青学大)と〝2強〟が交互に勝っている状況。今回はナイキの番になるのだろうか。

 駒大のエース・田澤廉(4年)は2年時の箱根駅伝(2区7位)を最後に、トラック、駅伝を含めてすべてのレースで日本人学生には負けていない。最も田澤を追い詰めたのは、田澤が体調不良で迎えた今年の出雲3区で1秒差に迫った近藤幸太郎(青学大4)だ。ふたりは学生駅伝で4連続して対戦中。今回は花の2区での激突が濃厚で、田澤は勝ち逃げできるのか。

 

監督の「かけ声」に注目

 駒大・大八木弘明監督と青学大・原晋監督、優勝を争うライバル校の指揮官はキャラが相当異なる。レース中、運営管理車から選手にかける声も違う。大八木監督ははここぞ、というタイミングで「男だろ!」と気合を込めて、選手の底力を絞りだす。原監督は選手が沿道の声援に応えた場合、「いいぞ!」と叫んで、選手の気持ちを上げさせていくスタイルだ。

 レース中、指揮官たちが乗り込む運営管理車にも秘密がある。自由に声をかけているイメージがあるかもしれないが、1、3、5、10、15㎞、残り3㎞、残り1㎞のタイミングで「1分間」と決められているのだ。21チームの配置は順位に応じて変えていく。車両は箱根駅伝を協賛するトヨタ自動車が提供。同社が関連する自動車教習所の教官がドライバーを務めているため、指揮官たちがどんなに熱くなっても、無論、安全運転だ。