かつてのチームメイトとの戦いも熱い

 4年ぶりに出場する大東大は今季から同校OBの真名子圭監督が就任した。真名子監督は昨季まで宮城・仙台育英高の男子を指導。19年には全国高校駅伝の優勝に導いている。なお当時のV戦士では吉居大和(中大3)、菊地駿介(大東大3)、山平怜生(中大2)、白井勇佑(東京国際大2)、吉居駿恭(中大1)が今大会の登録メンバーに入っている。

 今回の注目選手である中大の吉居兄弟(大和、駿恭)は愛知県田原市出身。両親は実業団のトヨタ自動車の選手だった。仙台育英高に進学したが、中学時代は愛知県豊橋市を拠点にするクラブチームであるTTランナーズに所属。近藤幸太郎(青学大4)も中高時代は同クラブの練習に参加しており、かつてのチームメイトということになる。

 登録選手(全336人)の出身高校は仙台育英が12人で最多となる。2位は広島・世羅で11人(中大・中野翔太、明大・森下翔太、明大・吉川響など)、3位は京都・洛南で10人(順大・三浦龍司、青学大・若林宏樹、駒大・佐藤圭汰など)。4位は福島・学法石川で9人(青学大・横田俊吾、明大・櫛田佳希、早大・山口智規など)、5位は長野・佐久長聖の8人(駒大・鈴木芽吹、専大・木村暁仁、早大・伊藤大志など)。それから佐賀・鳥栖工と千葉・八千代松陰は7人が登録された。高校時代の〝チームメイト対決〟に注目しても面白い。

 登録選手の都道府県別出身地は千葉(24人)、福岡(21人)、愛知(19人)、埼玉(17人)、神奈川(16人)がトップ5。市町村別では神奈川県横浜市の8人が最多だった。横浜市は箱根駅伝でいうと往路2区(と復路9区)がコースになる。今回は〝ハマっ子〟の丹所健(東京国際大4)と児玉真輝(明大3)が地元を走る可能性が高い。ふたりとも1年ほど前から花の2区を想定して準備を進めており、快走が期待される。

 

「亜細亜の奇跡」とは?

 余談だが、児玉真輝(明大3)は同姓の児玉悠輔(東洋大4)と同じ区間(20年の全日本1区、21年の箱根1区)を走る機会が多く、「レースの位置取りが似ている」(児玉真)こともあり、お互いに意識している関係だ。今年の関東インカレ10000mは児玉悠が3位、児玉真が4位だった。

 今季の東京国際大は出雲8位、全日本11位と苦戦しているが、丹所は「亜細亜の奇跡を再現したい」と燃えている。06年大会では亜細亜大が今季の東京国際大と同じ順位を経て初優勝を遂げているからだ。

 2023年の箱根駅伝も楽しみが尽きない。