魅力的なWant目標を掲げることがプロジェクトリーダーに問われている

 プロジェクトのゴールは、「最低の目標」のゴールだけではなく、「最高の目標」があるはずだ。「これが達成できなかったら価値がない」というMust目標(最低目標、絶対必達目標)と、「これが達成できたら、最高!」というWant目標(最高目標、大成功目標)を両端にして、その間に幾つかのゴールがある。

 本来、プロジェクトは、Want目標を目指して進めていき、諸般の事情で目標を落とさなくなってしまったとしてもMust目標は必達しよう(必達できる)というものである。最初から、Must目標の達成だけを目指していると、何かあった時にMust目標にすら届かなくなる。その意味でも、Must目標(最低の目標)だけでなく、Want目標(最高の目標)を掲げる必要がある。

 コンサルティングをしていると、やらされ感を漂わせて仕事をしている プロジェクトリーダーに出会うことがある。プロジェクトの目標を尋ねても、「上から、やれ!って言われているので」とか「お客さまから無茶な要望を押し付けられて」といった感じの"被害者モード"の語りをする人でる。

 本人は気付いていないかもしれないが、そのようなネガティブな雰囲気は、プロジェクトメンバーに伝わる。

 プロジェクトの目標を自分の言葉で魅力的に語ること、かっこつけていえば"プロジェクトの夢"を語ることが、プロジェクトリーダーとして最初にやるべきことだと、私は思う。 

 プロジェクトリーダーが、素敵な"Want目標"を掲げることが、プロジェクトメンバーのモチベーションを高めることにつながるものである。

コンサルタント 塚松一也 (つかまつ かずや)

R&Dコンサルティング事業本部
シニア・コンサルタント
全日本能率連盟認定マスター・マネジメント・コンサルタント

イノベーションの支援、ナレッジマネジメント、プロジェクトマネジメントなどの改善を支援。変えることに本気なクライアントのセコンドとしてじっくりと変革を促すコンサルティングスタイル。
ていねいな説明、わかりやすい資料をこころがけている。
幅広い業界での支援実績多数。