深圳は鴻海、ファーウェイ、BYDの製造拠点
鴻海の深圳工場では、アップルのiPhoneのほか、タブレット端末「iPad」、パソコンなどを製造している。ただ、iPhoneのほとんどは中国中央部の河南省で製造している。同社は「中国の他の工場にラインを移して生産体制を維持するつもりだ」と述べている。
また、プリント基板の台湾・欣興電子(ユニマイクロン)も深圳での操業を停止した。ユニマイクロンもアップルの主要サプライヤーの1社だが、同社は現在深圳でアップル関連の製造を行っておらず、東部の浙江省や北海道、台湾でアップル向け製品を製造している。ユニマイクロンによると、同社の売上高のうち、深圳工場が占める比率は3%未満にとどまるという。
アップルが開示しているサプライヤーリストによると、深圳を拠点とするアップルの取引先は少なくとも6社ある。深圳は、通信機器の華為技術(ファーウェイ)や電気自動車(EV)の比亜迪(BYD)など中国大手メーカーの本拠地でもある。
自動車産業の拠点も都市封鎖
自動車産業の集まる東北部の吉林省長春市では22年3月11日から都市封鎖が実施された。吉林省は3月14日、住民が省・市をまたいで移動することを禁止すると発表した。
長春市に本社を置く中国第一汽車集団は工場をここ数日間停止していると明らかにした。独フォルクスワーゲン(VW)は22年3月14日から3月16日まで市内の車両と部品工場の稼働を停止すると発表。トヨタも3月14日に長春工場を一時停止した。トヨタの広報担当者は、今後政府の指示に基づいて操業を再開する予定だと述べている。
トヨタとフォルクスワーゲンはそれぞれ、中国第一汽車と合弁工場を運営している。 中国第一汽車は、2社との工場に加え、他の3工場も停止したと関係者は話している。
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