風を感じる小湊鐵道の里山トロッコ

 もうひとつ、いすみ鉄道とセットで楽しみたいのが小湊鐵道です。いすみ鉄道との接続駅である上総中野駅から五井駅までを結ぶローカル線で、のどかな里山の田園地帯や養老川沿いを進みます。

房総里山トロッコ。 かつて小湊線で活躍したSLをモチーフにしたクリーンディーゼル機関車が牽引します

 小湊鐵道でおすすめするのは、SL風のクリーンディーゼル機関車が牽引する「房総里山トロッコ」。私は新緑の季節と紅葉の季節に2回乗ったことがあるのですが、展望車は窓ガラスが取り外されているので、開放感がバツグン! 風を直に感じられて気持ちがいいし、里山の景色を生で体感できます。天井もガラス張りなので、空のほうまでよく見えるんです。新緑も紅葉も素晴らしかったですが、この路線も菜の花の景観で有名ですから春もきっと美しいと思います。

展望車は開放感バツグン!

 また、小湊鐵道の沿線の観光なら、房総里山トロッコ列車の終着駅である養老渓谷駅。駅に足湯があって、小湊鐵道の利用客は無料で入れます。列車の待ち時間などに、絶好の癒しになりますよ。養老渓谷は紅葉の名所としても知られていますが、房総一といわれる粟又の滝や温泉もあって、どの季節も楽しめると思います。

「いちはらアート×ミックス」の開催時期はラッピング列車も走ります(写真は2017年)

 小湊鐵道沿線では、3年に1度、「いちはらアート×ミックス」という、この地域の美しい里山と現代アートを融合させた芸術祭が行われています。私も2014年と2017年に参加していて、素敵な作品にたくさん出会えました。里山の自然を感じつつ斬新なアートに触れられ、古民家や廃校になった小学校を利用したアート展示も! 

廃校になった小学校の教室やプールを利用したアート作品も(写真は2017年)

 それぞれの会場を小湊鐵道や周遊バスを組み合わせて巡るので、鉄道もアートも満喫できるという最高のイベントです。2020年は新型コロナウィルスの影響で2021年11月~12月に開催が延期になったようで、次の開催はしばらく先ですが、興味がある方はぜひ小湊鐵道で訪れてみてください。