130周年に新商品が
そんなクナイプが130周年を迎えた今年、新たな商品を送り出した。
「現在はドイツ本社も、日本市場に力を入れており、より日本の消費者ニーズに合ったものを発売したいと考えています。それで今年、日本とドイツ本社の研究所が協力し、日本の消費者のために開発した入浴剤が、この度上梓する『スパークリングタブレット』という商品です」
天然エッセンシャルオイルと重炭酸ナトリウムを配合した炭酸入浴料で、お湯に入れるとスパークリングワインのような細かな気泡が楽しめる。
「商品ラインナップは『オレンジ・リンデンバウムの香り』『ホップ&バレリアンの香り』『ラベンダーの香り』の3種類。グーデナハトはグッドナイトの意味なんですが、心地よい眠りを提供するというもの。ホップとバレリアンはドイツで有名な眠りのためのハーブなのです」
重炭酸ナトリウムが配合されていることで、きめ細かな泡が体をやさしく包み、プレミアムなバスタイムが届けられる。そして、炭酸成分が重炭酸イオンとしてしっかりお湯に溶け込むことで、効果が長時間持続するのである。
さまざまな活動を
ドイツはサスティナビリティ先進国。クナイプも彼の国の企業だけにさまざまな活動を行なっている。
「弊社は、2025年までに全ての容器をリサイクル可能、リサイクル素材を使用したもの、あるいは生分解可能な素材にするという目標を持っています。また、自社基準により、マイクロプラスティックは製品に配合しないなど、環境への影響を配慮し、二酸化炭素の排出量も十分に配慮しながら製造しています。それもあってか、環境や天然資源の保護活動を積極的に行う企業・ブランドに贈られる「GREEN BRAND」を連続で受賞しているのですよ。つまり、環境への取組みを強化することは、クナイプにとって非常に大きな優先課題ということです」
やはり、商品に自然のものを使っているのも大きいのだろう。
「自然があってこそのブランドだという意識が非常に高いのです。自然環境に悪いものは使わないというポリシーがあります。製品にも鉱物油は配合せず、すべて植物オイルを使用しているのです。新商品の『スパークリングタブレット』も、環境への影響を配慮し、PEG(ポリエチレングリコール)やタルクは使用しておりませんし」
「自然を大切に」「健康を」「心と体のバランスが必要」といった、これからの私たちに不可欠だと考えられる要素は、すべてセバスチャン・クナイプの教えの中には詰まっており、それを実践しようと試みているのがクナイプという企業である。
それを日本で成功させ「さらにアジアへと拡大させたい」と語ってくれた大脇社長の夢が叶った時、日本やアジアには、もう少し心身ともに健康な人が増えているのかも知れない。