「クリエイティビティ」を纏った装い

「ヒジャブ・コスプレ」が流行り始めたのが2011年。図らずも同じ年の12月、「ヒジャブ・コスプレ」同様、クリエイティビティ溢れる装いを身に纏った建築作品が代官山に誕生している。クライン・ダイサム・アーキテクツ(KDa)による《代官山 T-SITE》である。

 KDaはアストリッド・クラインとマーク・ダイサム、久山幸成による建築家ユニットで、彼らの生み出す作品はどれもユーモアとウィットに富んでいるのだが、この《代官山 T-SITE》でも彼らの真骨頂が如何なく発揮されている。

《DAIKANYAMA T-SITE》 写真提供=カルチュア・コンビニエンス・クラブ株式会社

《代官山 T-SITE》はシンプルな箱が3つ、平行に並んで配置され、それぞれがブリッジで繋がれている。その外壁は白いGRC(ガラス繊維補強セメント)製の壁面と大きなガラスによって「T」の文字が形作られている。しかも3箱全て4面とも。この「T」、言うまでもなく蔦屋書店のブランドアイコン、「TSUTAYA」の「T」である。そして、さらによく見ると、なんとその白いGRC自身も「T」によって構成されている。

《DAIKANYAMA T-SITE》 写真提供=カルチュア・コンビニエンス・クラブ株式会社

 大きい「T」と小さい「T」。それはまるで、フラクタル(幾何学の概念で、図形の部分と全体が自己相似になっているもの)図形の『シェルピンスキーのギャスケット』ようである。

シェルピンスキーのギャスケット