国内有数のITサービス企業であるNTTデータが、ドラスティックに社内体制や役割の変革を進めている。2022年度に発表した中期経営計画では、新たな価値を創造するべく5つの戦略を立案した。同社が変革に注力する背景や戦略のポイントは何なのか。テクノロジーコンサルティング&ソリューション分野長の冨安寛氏に聞いた。
総力特集「大変貌!DXパートナー企業の“今”」
DXを進める上で欠かせないのが、コンサルティングファームやITサービス企業といったパートナー企業の存在だ。今、そのパートナー企業たちが変貌しつつある。DXを支える側の企業は今、何を考え、どう変わろうとしているのか? 各社の特徴はどこにあるのか? 主要各社の責任者をインタビューしていく。
■第1回 NEC
■第2回 NTTデータ ※本稿
■第3回 電通グループ
■第4回 ベイカレント・コンサルティング
■第5回 日本IBM
■第6回 KPMGコンサルティング
■第7回 EYストラテジー・アンド・コンサルティング
■第8回 アビームコンサルティング
■第9回 TIS
■第10回 PwCコンサルティング
■第11回 デロイト トーマツ コンサルティング
■第12回 アクセンチュア
■第13回 ボストン コンサルティング グループ
■第14回 NTTコミュニケーションズ
■第15回 BIPROGY
■第16回 日立製作所
■第17回 富士通
■第18回 KDDI
提言から実装、成果創出まで一貫して提供しビジネス拡大を目指すための5つの戦略
――提言型に力を入れる戦略を打ち出されています。その背景を教えてください。
冨安寛氏(以下敬称略) 例えば、当社の主要な顧客に金融機関があります。金融機関が提供するサービスは、長らく信用が第一でした。その考え方が大きく変化しています。デジタル化が進んでいることなどを背景に、信用第一の金融機関でさえ、日々変化・多様化する顧客ニーズを捉える必要が出てきているのです。この状況に対応するべく、金融機関から当社に対しては、変化に強いシステムが求められるようになっています。
こうした変化を受け、当社も大きく変革していかなければならないと考えています。金融機関に限らずさまざまな企業と取引がある当社としては、企業や業界・社会の変化を先回りして提言することが求められていると感じています。