売上好調なジャパニーズクラフトジン業界で日本代表のひとつ、「サントリージャパニーズクラフトジン ROKU〈六〉」がブランド体験拠点をグランドプリンスホテル高輪にオープンした。2026年6月30日(火)までの約1年間「ROKU〈六〉」の世界を体験できるこのバー、気軽でありながらちょっとVIP気分にもなれるうえに、ジャパニーズクラフトジン入門にうってつけだ。

日本を代表するジン
なんだか最近、周囲にいるカッコよくお酒をたしなむ面々のなかにジンにハマる人が増えているなぁ……とおもっていたら、サントリーによるとジン市場(金額ベース)はグローバルでこの10 年で約2倍に、日本では2019年対2024年で約3.5倍に成長しているのだそうだ。こうも伸びれば違いが体感できるんだなぁとひとつ勉強した。
そのサントリーが2017年に生み出したジャパニーズクラフトジン「ROKU〈六〉」は、かように盛り上がるジン市場のなかでも平均売価30USドル以上のプレミアムジンとしては世界で2番目に売れている銘柄なのだそう。つまり、ROKU〈六〉はプレミアムジンのイメージリーダーであり、なによりジャパニーズクラフトジンのイメージリーダーなのである。ということは、その世界観を表現した場所というものがあってしかるべきなのであって、それができました、ということで私、その場所「茶室 BAR ROKKAN by ROKU GIN」にお招きいただいた。場所は「グランドプリンスホテル高輪」の中。
羽田に近いこともあって国際的な盛り上がりを見せる品川・高輪エリアでも、1953年創業、由緒ある近代建築と閑静な庭を誇るこの「グランドプリンスホテル高輪」は、フレンドリーでありつつ上品、有名なのにガヤガヤしていないで落ち着いている、和でもあり洋でもある。この雰囲気が、ROKU〈六〉と似たところがあるのではないかと、私、勝手に想像している。
「茶室 BAR ROKKAN by ROKU GIN」は庭側からホテルの館内に入った場合、左に曲がってから地下に行ったところ。

しっかり楽しみたい場合は要予約。バーの営業時間中なら、ふらっと行ってもOK。主に、さまざまなROKU〈六〉ベースのカクテルと四季をテーマにした和菓子とのペアリングが楽しめる。
いいところ知ってるんだぜ感がある
茶室をイメージソースとしたこのBARは、光が柔らかいのと音響的にデッドなところがいいな、とおもう。

予約した場合に体験できるのは2種類のサービスで、ひとつは「カクテルと和菓子のペアリングコース」。四季をテーマにした4つの和菓子と4種類のROKU〈六〉を使ったカクテルが楽しめて1人5,000円(税込)。




カクテルは基本的に爽やかだし、どれか1セットでも単品でオーダーすると2,000円ということを考えると、すごくお買い得だ。
もちろん、季節季節でひとつずつ楽しむというのもいいとおもう。その場合は、もうひとつのサービス「ジャパニーズクラフトジンROKU〈六〉体験コース」を体験してみるのも一興。今回、私が体験したのもこれだった。こちらは1名5,000円と同価格ながら上述の四季をテーマにしたペアリングメニューは季節に合ったものが1セットに限られる。代わりにROKU〈六〉がどういうジンかを知ることができる、ちょっとしたお勉強イベントがついてくる。

これ、実質的にはジンとはどんなもので、現在、ファンが増えているプレミアムなジャパニーズクラフトジンはなにが他のジンと違うのかを体験込みで短時間で把握できるプログラムになっていて、一度受ければジン入門には十分だとおもう。最近、ジンにハマっている向きには仲間増やすのにもうってつけだろう。

さらに、このプログラム、バーの直前にある特別感たっぷりの和の雰囲気の空間で行われ、担当してくれるスタッフとお話ししながらジンの説明を受けられるのもいいところ。

バーの魅力の大きな部分を占めるお店での会話という要素がきっちり満たされる。最後はバーに案内されるのだけれど、その頃にはなんだかVIP気分になっていること請け合い。
こういう体験価値はプレミアムブランドならではのものだろう。
ジャパニーズクラフトジンの基本的な特徴
せっかくなのでちょっと、ROKU〈六〉が所属するカテゴリーであるプレミアムなジャパニーズクラフトジンについて、簡単に紹介したい。
ジンとういうのは非常に自由なお酒で、高アルコール度数の液体(スピリッツ)にボタニカルと呼ばれるハーブやスパイスを浸けて風味づけした蒸溜酒、くらいしか実質的にはマスト事項がない。

唯一、このボタニカルのメインはジュニパーベリーであるべし、という制限があるくらいだ。大体の場合は、スピリッツを入れた大釜に10種類前後のボタニカルを入れて風味をつけ、それを蒸留したあとに加水して45%前後のアルコール度数にしたものがジンだ。熟成という概念が基本的にないのもハードルの低さに一役買っている。
ゆえに、つくり手が色々とアレンジしやすい。そこで、だったらめちゃくちゃ手の込んだジンをつくってみようじゃないか、と生み出されたのがROKU〈六〉のようなプレミアムなジャパニーズクラフトジンだ。もちろん、つくり手ごとに差はあるけれど、概ね共通するところを紹介すると……
まず、日本らしい、あるいは地域地域の名物をボタニカルに加える。ROKU〈六〉の場合、桜の花、桜の葉、山椒、煎茶、玉露、ゆずと6つの日本ならではのボタニカルを使う。
これらボタニカルから風味を引き出すにあたっては、全部を一緒くたに釜にいれるのではなく、別々に釜に入れて風味を十分に引き出す。ROKU〈六〉の場合、桜はステンレスの釜で減圧して蒸溜、ゆずは銅の釜で常圧で蒸溜して、それぞれから風味を引き出したスピリッツをつくっている。そして最後にこれらをドライ・ジンと呼ばれるもっとも一般的なスタイルのジンとブレンドする。ちなみに他社のジャパニーズクラフトジンではドライ・ジン部分もボタニカルを別々に蒸溜しているものもある。

こうして仕上がったジャパニーズクラフトジンの味わいの基本的な特徴は軽快感だとおもう。オイリーだったりヘビーでダークな雰囲気のものは少なく、ROKU〈六〉の柑橘やお茶のように、イメージ的にも実際の風味的にも明るくて爽やかなものが多い。多分、これが現代の味覚に合っているのだとおもう。あと、なんとなく健康的というか、健全な雰囲気がある。
そして、ROKU〈六〉はまさにそうだけれど、ジャパニーズクラフトジンは最初から通常のジン+和素材風味のスピリッツのブレンドなことが多いので、お好みのアルコール度数にまで水割りするくらいでも十分、色々な風味が楽しめる。カクテルにする場合も比較的シンプルでよくて、トニック+ソーダのソニック、各種のお茶なんかで割るだけでいい雰囲気になりがち。柑橘類を添えたり絞ったりするのも定番だ。

また「茶室 BAR ROKKAN by ROKU GIN」では、ROKU〈六〉に甘味を合わせているけれど、これも比較的定番のスタイル。甘味はほのかに苦みのあるジンによく合う。食中酒として飲むという手もあるのだれど、個人的にはそこはワインや日本酒を選んで欲しい。ジンはアペリティフか食後でお願いします。
「茶室 BAR ROKKAN by ROKU GIN」もおかげさまで「ジャパニーズクラフトジンROKU〈六〉体験コース」がアペリティフタイムの15:30~17:00の回と17:00~18:30の回の1日2回、バーの営業はデザートタイムの18:30~23:00(ラストオーダー22:30)だ。詳細は以下の公式ページにて。
グランドプリンスホテル高輪内B1(東京都港区高輪 3-13-1)
営業期間:2025年6月18日(水)~2026年6月30日(火)
営業時間:
15:30〜23:00(ラストオーダー 22:30)
※土曜日は18:30〜23:00(ラストオーダー 22:30)のみ営業
ROKU〈六〉体験コース 15:30~17:00および17:00~18:30(平日のみ開催)
カクテルと和菓子のペアリングコース 18:30~20:30 / 20:30~22:30
Bar Time 18:30~23:00(ラストオーダー 22:30)
定休日:日・祝
https://rokkan6.jp
予約 URL
https://booking.ebica.jp/webrsv/plan_search/e014001557/34990