七賢とアラン・デュカスとのコラボレーション商品第3弾はショコラ! (正確にはガナッシュ)『ガナッシュ・オリジン✕アラン・デュカス サステナブル・スピリッツ・七賢』が12月1日(日)発売となった。
日本酒の風味をもったこのガナッシュについてJBpress オートグラフは七賢の造り手「山梨銘醸」の13代目当主 北原対馬さんと「ル・ショコラ・アラン・デュカス」東京工房のエグゼクティブ・シェフ・ショコラティエ & パティシエ パトリック・パイエーさんに話を聞いた。
『ガナッシュ・オリジン✕アラン・デュカス サステナブル・スピリッツ・七賢』はどういうものか?
ル・ショコラ・アラン・デュカスのガナッシュのなかでも定番の『ガナッシュ・オリジン』(マダガスカル、ペルー、ジャワと産地違いのカカオを使った3種のガナッシュが1パッケージになった商品)に『アラン・デュカス サステナブル・スピリッツ』を加えた『ガナッシュ・オリジン✕アラン・デュカス サステナブル・スピリッツ・七賢』が発売となった。
小さなガナッシュの中でショコラと日本酒由来の蒸溜酒のペアリングが成立しているこのデザート。
食べてみると、赤系フルーツの酸味が特徴という「マダガスカル」はスピリッツと出会ったことで味わいの広がりと長い余韻を楽しめ、熟した果実の濃厚な風味を持つとされる「ペルー」はタニックな苦味、伸びやかな酸味、熟成感が高級な赤ワインのような雰囲気を持つ。そして、スモーキーさや酸味が特徴とされている「ジャワ」は、スピリッツとの相性ゆえか、キュートな甘みが際立つ。
「ル・ショコラ・アラン・デュカス」のエグゼクティブ・シェフ パトリック・パイエーさんによると、ショコラにハードリカーを組み合わせるのは珍しくなくても、日本酒の搾り粕である酒粕をベースとしたスピリッツをショコラと組み合わせたガナッシュは初体験。
約1年にわたる七賢との共同開発では、『アラン・デュカス サステナブル・スピリッツ』の37%というアルコール度数が、ウイスキーやラム酒などのアルコール度数40~50%程度の蒸溜酒と比べてやや低いことが難しいところだったという。スピリッツの味わいを出そうとすると、多くのスピリッツを使う必要があり、そうすると水分量が多くなりガナッシュとしてバランスをとることが難しいのだそうだ。
七賢を造る山梨銘醸の13代目当主・北原対馬さんにその話をすると
「そうですね。アルコール感をもっと出して欲しい、もっと日本酒を感じられるようにして欲しい、というオーダーはしました」
とのこと。
一方で、味わいの相性については「最初から合った」と双方が口を揃える。七賢とアラン・デュカスのバイネームの酒は、これまでスパークリング日本酒『アラン・デュカス スパークリング・サケ』と酒粕を活かした蒸溜酒の『アラン・デュカス サステナブル・スピリッツ』の2作品が発売されているけれど、どちらも『ガナッシュ・オリジン』との相性は良く、3作品目となるコラボレーション商品であるこのガナッシュの開発にあたって、わざわざガナッシュ用の酒を造ったり、ガナッシュ側を大きく変更する必要はない、という判断で、すでにあるものをどう組み合わせるかが焦点となったのだそうだ。
単体の日本酒、あるいはスピリッツともガナッシュとも違うものながら、きちんと双方の魅力が感じられ、なおかつそれがシームレス。奥深く上質かつ品良くこなれた印象から、これが新しい味覚であることを感じさせない。
「フランスの食文化ではデザートの時間が長くて、料理を食べ終わった後、大切な仲間と色々と語り合いながら、ショコラを食べたり、ハードリカーを楽しんだりしますよね。その文化に日本酒を入れたかった」
と北原さんは言う。確かにこのガナッシュは、そういうシーンにすんなり馴染みそうだ。
販売は、このガナッシュが作られる、東京・日本橋のル・ショコラ・アラン・デュカス 東京工房のほか、同・六本木店、七賢Webショップ、そして山梨県北杜市白州の山梨銘醸にて。限定品ではないので、ご安心を。