飲み物は北海道ワインがメイン

 名店『シニフィアンシニフィエ』出身のご主人・裕二さんが焼くパンは大人気。7時半の開店から飛ぶように売れ、あっというまに終了する。その後、同じ場所で15時から奥様の真紀子さんがパン呑みタイムをスタートさせる。

この日のワインは北海道余市のミソノヴィンヤードが造るオレンジワイン。グラスワインは900円~

 飲み物は北海道ワインがメインだ。その理由は二人が北海道の大学に通っていたため。北海道を愛しているから。今や北海道は日本ワインのメッカでもあるだけに、銘柄も多種多様に造られていて、レベルも高いのだ。

 つまみはパン盛り合わせのみ。ワインを頼んでゆるゆる飲み、真紀子さんと時々会話をしながらパン呑みがスタートする。まだ外が明るい時間から飲めるのもこの店のいいところで、開店前の景気づけにサクッと飲んでいく飲食店の人も見かけたりする。

一人分のパン飲みプレート製作中。一切れずつ本日のいろんなパンが盛り込まれる

 はい、と目の前に現れたのは、様々なパンがぎっしりと盛られたワンプレート。お店で出しているパンが一口ずつ味わえる夢のようなメニューだ。パンと一緒に食べるとおいしいポテトサラダやリエット、お惣菜に野菜、国産チーズも添えられていて、これでワインが1本くらいは飲めそうだ。

 こちらがのんびり呑んでいる間にも、目の前のキッチンでは真紀子さんが次々と仕込みをこなしていく。明日のサンドイッチのフィリングなどを作るおいしそうな光景を横目に、パンとワインでちびちびやるのもなかなかいい時間だ。

キッチンに飾られた猫たちの絵

 キッチンと反対の壁はギャラリーになっていて、定期的に二人の好きなアーティストの作品を展示している。そこでそのときの作品によっても店の雰囲気がちょっとずつ変化するのだ。もちろん作品を見るためだけに行くのもOKだ。

電子マネー使用可の表記がアートすぎる(笑)

 キッチンにかかる絵は、愛猫たちをお気に入りのアーティストに描いてもらったもの。とあるロゴが描かれた絵は、それを飾りたいために電子マネーを使えるようにしたという武勇伝が面白い。

 この店には身近にアートがあり、自然に溶け込んでいる。そんなふうに二人の気持ちやライフスタイルがすけて見えるところも魅力的なのだ。

はじける笑顔が最高!

 そして、パンもさることながら、何よりこの店を象徴するのは真紀子さんという人。パキッとした口調や豪快な笑顔に会いたくて通ってしまう常連さんは多いに違いない。もちろんご近所の人気レストランに卸しているパンも一級品。パンが買いたくなったら、がんばって早起きして並んでみてください。

 でももしも、ワインと一緒に味わいたいというなら、ふらりと足を運んでも大丈夫ですよ。

たむらパン
住所:東京都江東区牡丹3丁目9-1 
TEL:03-6458-5022
営業時間:パン販売7:30くらい~※売れ切れ終了 パン呑み15:00~21:00LO 
休:水曜、木曜、不定休あり 
※詳しくはInstagramで確認