アメリカ印象派の画家ハッサムを知る

チャイルド・ハッサム《花摘み、フランス式庭園にて》1888年 油彩、カンヴァス ウスター美術館
Theodore T. and Mary G. Ellis Collection, 1940.87/Image courtesy of the Worcester Art Museum

 アメリカ印象派では、チャイルド・ハッサムがいい。本人は印象派という呼び方を嫌っていたというが、アメリカ印象派を代表する画家として高い評価を獲得し、「アメリカのモネ」と紹介されることも多い。本展覧会では4作品を公開。《花摘み、フランス式庭園にて》はパリの友人宅を描いた作品で、非対称の構図、力強い筆づかい、明るく華やかな色調など、印象派の要素がふんだんに盛り込まれている。

チャイルド・ハッサム《シルフズ・ロック、アップルドア島》1907年 油彩、カンヴァス ウスター美術館 
Gift of Charlotte E.W. Buffington in memory of her husband, 1908.5/Image courtesy of the Worcester Art Museum

 ハッサムの他の3点も見ごたえがある。ボストンの都市風景を描いた《コロンバス大通り、雨の日》、モネの影響を感じさせる・・・というかモネの作品と言われても納得しそうなほどモネ的な《シルフズ・ロック、アップルドア島》、落ち着いた趣をもつ室内画《朝食室、冬の朝、ニューヨーク》。ハッサムの多彩な世界観に触れることができる。

 実際のところ、フランス以外の印象派はあまり知られていないのが現状。モネやルノワールのような超ビッグネームが不在で、展覧会の開催数も多くはない。ただ、気になる画家はいるし、フランスの印象派にはない新しいチャレンジを感じさせる作品もある。本家パリの「先」を見ることで、印象派がより奥深く楽しいものになってくる。

This exhibition was organized by the Worcester Art Museum