【BASIC ITEM】軽妙なエレガンス漂うローファーの傑作
170余年の歴史のなかで、数々のドレスシューズを生みだしてきたジョンロブ。ただし昨今はメンズの服装において簡略化が著しいカジュアル化の時代。そんな時代背景とも関係し、昨今はシューレースを持たないスリップオン型の「ロペス」にスポットが当たっている。
ロペスは1950年にビスポークオーダーにて生み出されたローファーモデル。既成靴コレクションがスタートした1982年にラインナップされ今に至っている。
軽快なローファー型は世界的な定番スタイルだが、ジョンロブではサドル(甲の帯飾り)以外を贅沢にも一枚革にて仕立てており、特にエプロン部分の縫製(いわゆるモカシン縫い)は、熟練職人の手作業にて確実かつしなやかに縫い込まれている。
接地するアウトソールの縫い付けは英国靴らしくグッドイヤー・ウェルト製法。全体的に190もの工程を擁し、数週間を掛けて丹念に一足を作り上げるという。内部に据え付ける副資材をも天然皮革に限定し、包み込まれるようなフィット感と軽い味わいを追求しているのだ。