「すごく」を「いたく」にするだけでも
●「感動」を「感銘」と言い換える
「感」という字は感覚、知覚という意味のほかに、「心を動かす」という意味もあります。
「感」という字には「戈(ほこ)」と「口」があり、「口」の上に「一」がついています。これは武器である「戈」でショックを与えて口を閉じさせる状態を表しています。つまり強い力で心が動くのが「感」です。ですから先に述べたように、「感動」は驚きを伴うようなショートタイムの感情なのです。
「感銘」の「銘」は、青銅器や石などに刻みつけるという意味です。ですから「感銘」は、心に深く刻みつけられることです。一過性ではなく、忘れられないほどの感情を抱いたことが伝わる表現です。
また、「肝銘」という字を用いてもよいでしょう。「肝に刻む」ということです。さらに「銘心鏤骨」という四字熟語もあります。心と骨に刻むということで、さらに深いところに刻まれました、という表現になります。
●「すごく」を「いたく」と言い換える
「すごく感動しました」「すごく面白かったです」など、日常会話では「すごく」を連発しがちです。
ビジネスシーンなど少しあらたまった場では、「いたく」と言い換えるだけで、知性を感じさせるとても丁寧な印象になります。
「いたく」は漢字で「甚く」と書き、「非常に」「ひどく」という意味で「すごく」同じように、程度の甚だしい様を表す言葉です。
「すごく感動しました」を「いたく感銘を受けました」と言い換えれば、相手の印象はぐっと違ってくるはずです。