(左)丸紅株式会社 デジタル・イノベーション室 室長 上杉理夫氏 入社後は海外開発建設部 東南アジア不動産開発に従事。その後、船舶部にてLNG船事業に従事、2015年に経営企画部を経て2019年4月デジタル・イノベーション室室長に。/(右)丸紅株式会社 デジタル・イノベーション室 副室長 大倉耕之介氏 入社時は化学品の本部で営業担当に。ブラウン管や半導体、太陽光パネル等の部材を輸出入する業務などを担当。ほかにも、リチウムイオン電池用の材料やブルーレイディスクのフィルムの開発にも携わる。ドイツでの駐在を経て2019年からデジタル・イノベーション室へ。

デジタルによって、各営業グループの新たな挑戦をサポートする役割

――デジタル・イノベーション室は、どのような役割を持つのか、お教えください。

上杉 DXに関して、各営業グループが展開する事業に合わせて、事業を成長させる方法や競争優位性をどう作っていくかを個別に考えていくことを全社で行っています。デジタル・イノベーション室の役割は、デジタルを活用して変革を進めていくことと、デジタル人財を作って各部門の事業を大きくしていくことです。

 その中で「主導」「支援」「育成」の3つを中心に進めていくことと、経験や新しい技術の知識をためてCoE(センターオブエクセレンス)の役割で、社内のノウハウをためていくことを担当しています。

 世の中の不透明さが高まっていく中では、新しいチャレンジに取り組み、スピード感を持ったPDCAを繰り返して事業を磨くことが競争優位性につながってきますので、新たなチャレンジを推奨する企業文化を作っていくこと、社員の意識を変えていくことを進めています。

 私が全体のとりまとめと、新しい変革やイノベーションの推進を担当して、大倉が具体的なデジタル施策の遂行を担当しています。

――現在の体制に至るまでの課題はどのようなものだったのでしょうか。

上杉 各営業グループが個別最適をとことん追求し、タテを深く追求していくことが商社の強みであった時代から、顧客の志向が変わり、供給側から消費側に力が移っていく時代に世の中が変化していきました。一つの商品・サービスを提供するのではなく、さまざまなものを掛け合わせて新しい価値提供を行わないと、世の中のニーズに応えられないという危機感があり、デジタルとイノベーションを活用した変革を推進することになったのです。

 総合商社は多様な事業を行っている集合体であるからこそ、社内の連携を通じて新しい価値が提供できる強みがありますし、世の中の変化に対して柔軟に変わっていくことがわれわれには求められているので、デジタルを有効に活用した新しいビジネスモデルを作り、お客さまや社会に貢献していくことが必要になっています。2017年にデジタルの活用を推進する専任組織を立ち上げ、2019年にデジタル・イノベーション室を設立しました。