ダイヤルに目を移すと、『ロイヤル オーク』の独特のデザインコードのひとつであるアワーマーカーと針が、やや細くなっており、さらに読みやすさを向上させている。12時位置に置かれたロゴも、従来のプリントから24Kゴールド製に変更されている。これは3D印刷に似た、化学的プロセスのガルバニック加工でつくられた、ということだ。

 もちろん、ダイヤルのタペストリー模様は健在。それも、これまで外周に平らな部分をつくり、そこに置かれていた分目盛りを、タペストリー柄の上に直接表示されるようにしている。凹凸がある特殊な柄なので、視認性を含め、とても難しい課題だったのだが、見事にクリアし、タペストリー模様をより生かしたダイヤルとなっている。

『ロイヤル オーク』らしい、タペストリーダイヤル。AUDEMARS PIGUETのロゴ、インデックスがアプライドになり、視認性がアップしている。また、外周の分目盛りがタペストリーの上でもハッキリと見えるのがわかる

 

新しいキャリバーを投入

 また、この新モデルには3つのキャリバーが使用されており、そのうちのひとつが新しいCal.5900である。時、分、秒、デイト表示の自動巻きムーブメントで、37㎜のモデルに搭載されている。これは、これまで3針モデルに搭載されてきたCal.3120に代わるもので、より薄型となっている。振動数は8振動/秒、約60時間のパワーリザーブである。

 50周年を記念した2022年モデルは、22Kピンクゴールドのローターを備え(38㎜クロノグラフモデルは除く)、そこには50周年のロゴとオーデマ ピゲのシグネチャーが彫られるという。

 ただ、この『ロイヤル オーク』は、ここ数年、なかなか手に入らない状態が続いている。店頭で見ることもなかなか難しいモデルとなっている。これは美しさ、完成度を保つために熟練工による手仕上げが必須であることから、製作に長時間を要し、本数も限られていること。それに愛好家からの人気が非常に高い、ということも拍車をかけている。

 ということで、この新『ロイヤル オーク』は、新作ではあるが、かなり入手困難であることを付け加えておきたい。

 

問い合わせ:オーデマ ピゲ ジャパン☎03-6830-0000