選手層が厚い青学大が有利か?

 青学大は前回、2区と5区で大苦戦して総合4位に終わった。今季は出雲駅伝で2位に食い込むと、全日本は優勝まであと一歩に迫っている。チームを牽引するのは、5000m(13分34秒88)と10000m(28分10秒50)で青学大記録を塗り替えるなどエースに成長した近藤幸太郎(3年)だ。全日本7区でも駒大・田澤に食らいつており、花の2区でも好走が期待できる。5区は前々回区間2位の主将・飯田貴之(4年)が濃厚。前回低迷した2区間で大きく遅れる心配は少ない。

 また前々回大会の2区で日本人1年生最高タイムの1時間7分03秒の区間5位と快走した岸本大紀(3年)が約2年ぶりに学生駅伝に復帰した。全日本3区を日本人トップで駆け抜けている。岸本、全日本1区4位の志貴勇斗(2年)、同5区区間賞で前回4区(区間4位)を担った佐藤一世(2年)らが往路の候補に挙がる。

 6区には前回区間3位と好走した副将・髙橋勇輝(4年)がスタンバイ。「区間賞」を目標に掲げている。出雲駅伝でアンカーを務めた横田俊吾(3年)と関東インカレの2部ハーフマラソンを制した西久保遼(3年)は発熱のため全日本は起用できなかったが、順当なら復路メンバーに入ってくるだろう。「後半は勝てる自信がある」と原監督。復路での〝逆転劇〟で2年ぶり6度目の栄冠を見つめている。

 では駒大と青学大、どちらが勝つのか。筆者は青学大が優勢だと見ている。その理由は駒大よりも選手層が厚く不安要素が少ないからだ。駒大は間違いなく強いが、1年生は20㎞以上のレース経験がなく、山区間は読めない部分がある。また直前の10000mで快記録を残すと、そのダメージで箱根駅伝に合わせるのが難しい。それでも日本人学生最速になった田澤が花の2区で青学大をぶっちぎることができれば〝駒大有利〟に傾くだろう。