文=酒井政人

昨年の全日本大学駅伝(2020年11月1日)、1区を走る三浦龍司(順大) 写真=アフロ

リベンジに燃える駒大と、勢いに乗る東京国際大

 全日本大学駅伝(以下、全日本)が11月7日に行われる。昨年は駒大が6年ぶりの優勝を飾り、箱根駅伝の13年ぶり制覇に突き進んだ。今年はどんなドラマが待っているのか。過去の実績とエントリー選手の顔ぶれから予想してみたい。

 今季のトラックシーズンは駒大の〝完勝〟だった。田澤廉(3年)、鈴木芽吹(2年)、唐澤拓海(2年)らが好タイムを連発。5000mと10000mは大学のチームとして過去最高レベルに到達した。しかし、10月10日の出雲駅伝は大本命が敗退(5位)する。東京国際大が〝初出場・初優勝〟の快挙を達成したのだ。しかも2位の青学大を1分57秒も引き離しての独走劇。これは1993年以降で最大差だった。全日本はリベンジに燃える駒大と、勢いに乗る東京国際大。両校の激突に注目したい。

 

ポイントは2、3、7、8区

 全日本は2018年大会から1区9.5㎞、2区11.1㎞、3区11.9㎞、4区11.8㎞、5区12.4㎞、6区12.8㎞、7区17.6㎞、8区19.7㎞という距離設定になった。2、3、7、8区がポイントとなる区間で、さらに最短距離の1区で出遅れるわけにはいかない。終盤のロング区間を担う人材がいて、スピードランナーの多いチームが有利になる。

 オーダーを組みやすいのが駒大だ。前回は田澤廉(3年)が最終8区を担い、区間賞を獲得。東海大と青学大をかわして、日本一をもたらしている。10000mで日本人学生歴代2位の27分39秒21を持つ田澤は2年連続のアンカーが濃厚。7区は関東インカレの2部ハーフマラソン2位に入っている花尾恭輔(2年)、同7位の佃康平(4年)あたりが候補か。

2021年10月10日、出雲駅伝、6区を走る田澤廉(駒澤大) 写真=SportsPressJP/アフロ

 出雲は10000mで日本人学生歴代3位の27分41秒68を持つ鈴木芽吹(2年)が9月に右大腿部を疲労骨折した影響で欠場。10000m28分02秒52の唐澤拓海(2年)も不調で4区にまわった。ふたりは全日本にエントリーされているが、どこまで状態を戻しているのか。

 他にも10000mで28分10~30秒台のタイムを持つ白鳥哲汰(2年)、青柿響(2年)、赤津勇進(2年)、山野力(3年)。出雲2区で区間3位と好走した安原太陽(2年)、日本インカレ5000mで2位に食い込んだ篠原倖太朗(1年)とスピードランナーが揃っている。