勘・経験・度胸だのみのKKD運営から脱却せよ

 Retail AIは「スマートショッピングカート」や「リテールAIカメラ」などのIoT機器も開発しており、これらは、TRIAL店舗で導入されている。

 TRIAL×Retail AIによるソリューション紹介動画(公開終了)は、こんなメッセージで始まる。

「お客さまと商品がAIでつながったらどうなるんだろう。テクノロジーで流通業界に革命を起こすため、私たちが始めた挑戦。一人一人のお客さまにカスタマイズされた最高のお買い物体験をお届けしたい。その思いを形にしたものが、TRIALのスマートストアです」

 TRIALのスマートストアでは、リテールAIアルゴリズムと顧客の購買データを活用し、「買いたい商品が常に見つかる」売り場を実現。さらにリテールAIカメラが常に商品棚の状況を把握し欠品も検知する。

 また、同じ動画では「お客さまが必要な商品が常にあるように、売り場が最適化されています」として、下記のような利用シーンを紹介する。

「スマートレジカート(レジカート=スマートショッピングカートの愛称)でお客さま一人一人に合わせてリアルタイムに最適な商品をご提案」「飲料売り場で商品をカートに入れたお客さまに、類似商品のお得な情報をご案内」「青果売り場でレタスをカートに入れたお客さまにドレッシングをお薦め」「お客さまに最適な情報をタイムリーに発信するデジタルサイネージ」「プリペイドカードによるキャッシュレス決済機能を持ったスマートレジカートによりレジ待ちを解消」「お客さまはスマートレジカート専用レーンを通ってスムーズにお帰りいただけます」——。

 そして紹介動画はこう結ばれている。

「リテールAIテクノロジーは、既に私たちの生活の一部となり、TRIALのスマートストアで形になっています。テクノロジーで世界一の買い物体験を実現する。未来のお店は、もうここにあります。私たちは業界リーダーとしてスマートストアを進化させ続けます」

 西川氏は、こうまとめる。

「生活者がいて、生活があり、商品のニーズがある。他方で店舗には、スペースがあって、商品があって、そこにお客さまが来て買い物をしていく。——この2つをマッチングさせる手段=Hyper Optimization(究極の最適化)が小売業では求められていくでしょう。

 長らく日本の小売業はKKD運営——勘・経験・度胸頼みの、労働集約的で属人的な業種であるといわれてきましたが、これからの小売業はKnowledge、KYC(Know Your Customer)、Data Drivenによる“新しいKKD”。IT、AI、IoT、データを駆使し、現場を科学することで大きな効果を生み出すことが『小売業のDX』だと考えています」