日本初の渓流オープンバスツアー
青森県十和田市の星野リゾート 奥入瀬渓流ホテルでは2020年10月31日まで、オープンエアの2階建てバスによる「渓流オープンバスツアー」を行っている。360度の景色が広がり開放感抜群。2階建ての高い座席位置から渓流を遠くまで眺められ、同時に間近に背の高い樹木を感じられるなど、新たな目線で奥入瀬渓流を楽しむことができる。
オープンエアに加えて、座席の間引きをしてソーシャルディスタンスを確保。三密回避の上、車内消毒、乗務員とスタッフのマスク着用、消毒アルコールを設置するなど衛生管理も徹底している。
十和田湖畔の子ノ口(ねのくち)から焼山まで、約14kmにわたる奥入瀬渓流は、十和田八幡平国立公園内に位置し、国立公園の特別保護地区、天然記念物および特別名勝に指定されている。
ガイドの説明によると、奥入瀬渓流はU字型の渓谷で、バスが走る車道や遊歩道は谷底にある。それゆえ渓流沿いの樹木は太陽の光を求めて背を高くのばし、中には樹高30mにおよぶものもあるという。渓流オープンバスツアーでの「森のトンネルを進む感覚」は、このためである。
渓流沿いには、三段に屈折して流れ落ちる落差20mの「雲井の滝」や渓流最大規模の「銚子大滝」、大きな一枚岩の「石ヶ戸(いしげど)の瀬」をはじめ、見所が点在する。
マイナスイオンや木漏れ日、野鳥のさえずりを感じながらのツアーは、ガイドの説明「渓流の中に森があるイメージ、湿潤が生み出す生物多様性の世界」がよくわかる。雨天はレインコートを無料配布し走行するそうだ。
星野リゾートでは3密回避を徹底した新たな旅の楽しみ方を検討。コロナ期の苦境の中で生み出したのがこのバスツアーだ。東京で「スカイバス東京」を展開する日の丸自動車興業株式会社と提携。2階建てオープントップバスを借り受け、運行は地元のバス会社である十和田観光電鉄株式会社へ委託している(バスツアーは宿泊者限定で事前予約制)。
奥入瀬渓流ホテルの髙橋伶央(れお)総支配人はこう話す。
「地域の観光産業が一体となって、長期化する「withコロナ時代」を乗り越えたい。お客様にはぜひ、奥入瀬渓流の豊かな自然の中でリフレッシュしていただければと思います」
泊まって楽しむ温泉宿の美食フレンチ
「星野リゾート 奥入瀬渓流ホテル」は奥入瀬渓流を眺める唯一のホテルだ。客室数は全187室。東西に翼を広げたようなロッジ風のリゾートホテルが、渓流と緑の木々を背に建っている。