『トンダ PF シィアリー パーペチュアルカレンダー』 自動巻き、18Kローズゴールド、42㎜径 価格:要問い合わせ

ローズゴールドとインペリアルレッドの組み合わせ

 中国文化に捧げるオマージュとして誕生したステンレススティール製『トンダ PF シィアリー パーペチュアルカレンダー』。このモデルに続き、ローズゴールド製ケースのモデルが登場した。赤みかかったゴールド素材に、インペリアルレッドダイヤルの組み合わせは相性が良く、漢字を多用した文字盤と相まって威風堂々とした風格を実現している。ウォッチメイキングの技に、中国の伝統的な暦である夏暦(シィアリー)の知恵を織り込んだ、カレンダーウォッチの最高峰といえる腕時計である。

 このモデルは、文化暦をテーマにした三部作のひとつで、西洋グレゴリオ暦、イスラムヒジュラ暦に続く作品。中国暦を時計という形で完全網羅し、その豊かさと複雑さを余すところなく実現したものだ。

 ブランドの創始者でマスター時計師でもある、ミッシェル・パルミジャーニ氏も次のように語っている。

「暦は文明のレントゲン写真です。人間と自然をじっくり観察することから生まれるもので、とても神秘的な何かを映し出します。自然は興味深い暗号の集合体で、人間はつねにその解読を目指してきました。そのリズムを調べることで、人は歴史を旅し、文明の発展をたどることができます。例えば、マヤ文明やトルテカ文明では、中国暦ととともよく似た暦を設計しています。これは、時間の認識における普遍的な調和を反映しています。暦は、季節の移り変わりを理解したいという人々の要求から生まれ、種まきや収穫時の計画、冬の寒さや夏の暑さの予測、不変の自然サイクルに暮らしを対応させる道標です。ゆえに、命を育む自然現象を予測して習得し、人間社会の均衡を保つという、根本的なニーズに応えるためのものなのです」

太陰太陽暦に基づいて表現

『トンダ PF シィアリー パーペチュアルカレンダー』に表現されている中国の暦、夏暦は、5000年以上前につくられたもの。太陰太陽暦に基づき、時を複雑な周期に分割する。

・季節や農業の周期を反映する二十四節気

・年とその精神的な影響を定める十二支

・木、火、土、金、水の五つの元素と陰陽による十支

 二十四節気とは、太陽の位置を干支に見立て、気候や農業の変化など、人間の生活に影響を与える現象を映し出すカレンダー。黄道(地球から見た太陽の道)を15度ずつ24分割したもので、古代中国の農民によって考案されたものだ。

   1年を4つの季節に分け、各季節に計6つ(1ヶ月にふたつ)の節気が設定されている。それぞれの節気には中国語の名前がついており、自然界やその現象、主に季節や気候の変化に関連して名付けられている。節気の名前には、自然は私たちの師であり、私たちは自然から学ぶべきであるという信仰が込められているのだ。

 また、元素と動物を組み合わせて時間を区切る中国暦の歴史は、殷王朝(紀元前1570年~1045年)にまでさかのぼるという。六十進法のシステムは、「十干」と「十二支」を組み合わせたもの。十干は、陰陽五行説の原理に結びついており、木、火、土、金、水の五つの元素に基づき、十二支は干支の動物で表されるが、中国、日本、朝鮮半島、ベトナムなど、東アジアの国によって若干の違いがあるそうだ。十干と十二支の組み合わせに基づいて60通りの番号の組み合わせによって年号が付く。これが六十進法ということである。

 このように、中国暦ではそれぞれの日や月に特定の意味があり、その多くは収穫やお祭り、儀式といった重要な行事と結びつけられている。自然の力と人間の暮らしのサイクルを合わせることで、直線的であることよりも調和を重んじる哲学的な視点を体現した暦ということだ。

 『トンダ PF シィアリー パーペチュアルカレンダー』は、それをダイヤル上で表現している。それは、昔から語り継がれる伝統をダイヤルに映し出し、時間とのユニークな対話を演出しているといえるだろう。