通常非公開 日本最古の禅寺の塔頭でシャンパーニュと気候変動をテーマに

柏田テツヲ「空をたぐる」Presented by Ruinartは、2023年秋にフランスのランス地方にある、世界最古のシャンパーニュ メゾン、ルイナールで2週間滞在。そこで体感した気候変動の影響をテーマに制作された。

©︎ Tetsuo Kashiwada
ブドウ畑で見た蜘蛛の巣からインスピレーションを得たという

建仁寺の塔頭・両足院(通常非公開)の大書院のほか、織田有楽斎の茶室「如庵」を模した「水月亭」、そして庭も使ったプレゼンテーション。

白い葉が花のように見える「半夏生(はんげしょう)」が群生する江戸時代の庭。見頃の初夏に庭園の特別公開がある

目に見えない環境変化の兆候を、作品を通して「たぐる」試み。

標本箱をモチーフにした木箱に、作家が収集したぶどう畑の断片、写真が収められている

安藤忠雄のシグニチャー的初期作品 TIME'Sも会場に

建築ファンには伝説的な安藤忠雄の初期作品TIME’S(1984年竣工)も会場に。

コンクリート打ちっぱなし+入り組んだ構造に、安藤の初期作品らしさが
川の景観と一体になるよう床を水面スレスレにした大胆デザイン。建築許可をめぐっての行政との攻防は語りぐさ

現在は閉鎖されているため、内部に入れる機会は貴重。ここではインドのダリット(カースト制度の最下層)系の家庭に生まれたジャイシング・ナゲシュワランの作品「I Feel Like a Fish」を展示。差別、故郷の美しさ、人との絆を可視化する。

独学で写真を学び、故郷の普通の人々の日常をとらえた、ジャイシング・ナゲシュワランの作品