定番から本日のおすすめ、裏メニューまで100品以上

カウンターだけの小さな店内。この他に宴会用のミーティングルームもある

「できることは何でも、できる限りやりたいんです」というのは博文さん。

 和食が基本だが、裏メニューのチャーハンが人気で、リクエストがあれば、オムライスやスパゲッティもドンとこい。材料があれば食べたいものに応えてあげたいという。縦横無尽に投げられる常連からの変化球を、楽しそうにカキ〜ンと打ち返す姿はなんとも頼もしい。

 お品書きにぎっしりと書き込まれた定番、黒板に書かれた本日のおすすめ、そして裏メニューも含めるとたっぷり100種類以上のメニューがある。常連にはスポーツ選手も多いそうで、減量に悩む選手には野菜たっぷりの特別メニューも作ってあげるというから、この店の懐は海のように深い。

『紅しょうが天ぷら』500円。関西らしい庶民的の味も料理屋さんのようなたたずまい

 そんなわけだから、満席ともなれば、せまい厨房の中は戦場のように忙しい。

 しかも、である。大人気の『ハンバーグ』は、オーダーが入ってから玉ねぎを刻むところから作るというから思わず耳を疑った。ある程度仕込んでおけば楽なのになぜだろう。 

「作っておくとお肉が硬くなるでしょう。作りたてがふわっとしておいしいのよ」とお母さんはにっこり笑う。

『ハンバーグ』990円。とカレー粉とみりんが隠し味のソースもおいしいふわふわハンバーグ

 そんな手抜きなしの忙しい厨房でも、お客さんと会話を交わし、冗談を連発し、気持の良い接客が絶え間ない。