ミネラル豊富な「にごり湯」を内湯と露天風呂で満喫

心まで晴れる絶景が広がる「雲上の野天風呂」

 宿の一番人気は、ご主人が10年かけて手作りした「雲上の野天風呂」だ。館から50m上った山の稜線上にある。白濁する温泉はミネラル豊富な含硫黄ーカルシウム・ナトリウムー硫酸塩温泉。万人に好まれる弱アルカリ性で、源泉掛け流しの湯はとても滑らかだ。

源泉は約35度で「ぬる湯の名湯」として温泉ファンに知られる

 館内1階と2階には、男女別展望浴場がある(1階は日帰り入浴可能)。それぞれに源泉浴槽(約35度)と加温浴槽の2槽設けているのは、低温と高温の交互浴で自律神経や体の凝りを整えるためだ。「ぬるめの源泉にゆっくり浸かると、ストレスや胃腸、肥満などに効果的です」と話すご主人は、毎夕に温泉療養講座を開催。入浴や飲泉について丁寧に教えてくれる。

サポートを受けながらスマートフォンで月の写真が撮れた

 ご主人は天体にも精通していて、夕食後は「星の観望会」を実施。天体双眼鏡などを使って、星雲や月のクレーターまで見せてくれる。参加者から「星空の贈り物は宝物!」という声。サポートしてもらいながら自分のスマートフォンで月の写真を撮影するなど特別な体験が嬉しい。

 翌朝も野鳥教室が開催されるなど、滞在中は飽きることがない(温泉療養講座、高峰温泉の歴史を語る三代目会長の話、星の観望会、野鳥教室などの体験は無料開催)。「お客様に山の自然を楽しんでもらえたら」と話すご主人に、「ご自身にとって山はどういう存在?」と質問すると、「山は故郷の母のように厳しくて優しい。人間の心を包み、癒してくれる。だから大切にしたい」との答え。

ガイドと行く山のシューツアー(有料)も最高に楽しい!

 人間は自然の一部・・・、そういう当たり前を普段は忘れている。大自然に抱かれる山の秘湯では、いつのまにか感受性が豊かになって素直な気持ちが目覚めてくる。グリーンシーズンも楽しみだ。

山や花の魅力を紹介するライブラリーもある