文=甲斐みのり 撮影=平石順一
お取り寄せで楽しむ旅気分
海外旅行から遠ざかっていた3年ほどの間は、お取り寄せやテイクアウトを通して旅気分を感じていました。その日味わう地域のメニューに合わせて、現地の映像や映画を観たり、音楽を流すと、食事の時間がより充実したひとときとして記憶に残ります。
そうして台湾の市場やまち並みの映像とともに、ほふほふと頬張ったのが、中目黒にある台湾料理店「東京台湾」から冷凍の状態でお取り寄せできる「名物 手包み水餃子」。
沸騰したたっぷりのお湯で10分ほど茹でるだけで、本格的な現地の味を楽しめます。
「調理後、茹で汁を少しお皿に入れるとくっつきにくくなります」と注意書きにあったので、そのとおりにお皿に盛り付けると、本格的な雰囲気に。「来年こそ台湾に行きたいね」と話題にも花が咲き、食卓が台湾色に染まりました。
台湾出身の友人が帰省する際に誘われてともに台湾へ赴き、人・歴史・文化・料理に魅了されたという東京台湾のオーナー。以来、繰り返し台湾に足を運ぶようになり、台湾料理店をオープンするにいたりました。メニューは、台湾出身の友人のおばあちゃんの手料理がベースになっているそうです。
私が台湾を訪れたのは一度だけですが、東京台湾の水餃子に、台湾で食べた、滋味深くて優しい味わいの料理の風味や、気さくに声をかけてくれた温かな人柄を思い出しました。
1つずつ丁寧に手包みで作られる水餃子は、2〜3個でもじゅうぶんな食べ応え。一般的な餃子が、1個につき15〜20グラムといわれるのに対して、東京台湾の水餃子は20グラム以上あるのです。
数種類の小麦粉と、タピオカの原料としても知られるキャッサバの粉を合わせた皮は、モチモチの食感。ニンニクを使わずに、豚ひき肉、キャベツ、ニラと、シンプルな素材で作る餡と、口の中でよく馴染みます。そこに、台湾の醤油をベースに、パパイヤ、レーズン、パイナップルなど、数種類のフルーツや豆を焼いて漬け込んだ特製タレを合わせれば、さらに特別な味わいに。フルーティーな甘さが際立ち、辛さ控えめ。
もともと水餃子にタレがついていますが、たっぷりつけてタレそのものを味わうために、別売りの瓶詰めタレを購入するのもおすすめです。野菜や豆腐と合わせれば、簡単に台湾風のおかずが完成します。
きっと近いうちに、台湾への旅に出かけよう。その前に中目黒の東京台湾を訪れて、旅の予習を楽しみたい!