文=甲斐みのり 撮影=平石順一
穏やかに体に染み入る水餃子
代々木上原に出かけるとき保冷バッグを持参するようになったのは、〈按田(あんだ)餃子〉でコロンとまるい帽子型に包まれた水餃子を買って帰るためだ。
定番から変わり種までどんなものでも餃子全般好物ではあるが、どちらかといえば焼餃子より水餃子派、ニンニクやニラがたっぷりなのよりあっさり派な自分にとって、肉汁が溢れ出るジューシーな餃子とは異なる、個性や妙味がありながら穏やかに体に染み入る按田餃子の水餃子との出合いは、これからの自分のスタンダードにしたい理想的な味わいだった。
ほんのり茶色く色づくもっちりとした自家製皮に使っているのは、美肌効果や血液浄化に効果があるといわれる有機ハトムギの粉末。ニンニクやニラを使わず、国産の鶏と豚をベースに野菜を組み合わせた餡は4種類のバリエーションがあるうえ、一つ一つが小ぶりであっさりしているから飽きがこず、食事でもおやつにもほいほい食べたくなる。ごはんにも合うしお酒のアテにもなるのもありがたい限り。
ミシュランのビブグルマンを獲得
按田餃子は、料理家の按田優子さんと写真家の鈴木陽介さんが、女性が一人でも入りやすく健康的で美しくなれる店を目指して始めた、水餃子が看板メニューの飲食店。代々木上原の本店(二子玉川店もある)は、カウンター数席にテーブル1席とこぢんまりしているけれど、ミシュランのビブグルマンを獲得し、今では行列が絶えない。
2012の開店当初は、古くから町に根付くアジアの食堂のような雰囲気の店内で、そのときどき水餃子以外のメニューもよく試した。行列ができるようになってからは、持ち帰り専用カウンターでぱぱっと購入したり、お取り寄せを利用して、家で“いつもの味”をゆったり味わう。
web shopから取り寄せできる冷凍餃子はいくつかセットがあるけれど、初めての方に試して欲しいのが、4種類の冷凍餃子各10個と、定番調味料3種類が入った「按田餃子おすすめセットB」。
4種類の餃子の味はこちら。
◉鶏 白菜と生姜
生姜醤油で味付けした大山鶏に、白菜(またはキャベツ)の塩漬けなどを合わせた按田餃子基本の味。
◉鶏 香菜と胡瓜
大山鶏、胡瓜、大根、香菜を合わせた餡に、ほんのりココナッツとエビが香る。
◉豚 大根と搾菜
岩中豚に、干しエビや干し椎茸、ザーサイ、大根などの組み合わせ。
◉豚 カレー風味と人参
岩中豚、人参、生姜をカレー粉で味付け。
冷凍の水餃子は、沸騰したお湯で6分茹でるだけ。水餃子をフライパンで温めて焼き餃子風にしたり、鍋に入れて煮込んだり、アレンジも可能。
また4種類の水餃子に加えて、オリジナルの調味料3種も同時に取り寄せすれば、何通りもの組み合わせを楽しめる。
◉按田餃子のタレ
発酵黒生姜、アニス、フェンネル、花椒、豆豉、にんにく、生姜、唐辛子、ねぎ、醤油、インカインチオイルをブレンドした餃子のタレ。ほどよい辛さで、冷奴、炒め物、和え物など他の料理に活用しても。
◉按田餃子・味の要
発酵黒生姜入、メティ、カルダモン、クローブ、クミン、胡椒、ターメリック、コリアンダーと、異国情緒たっぷりのスパイスをブレンド。水餃子に合わせたり、肉の下味や炒め物、それから刺身にも合うすぐれもの。
◉豆豉ミックス
発酵黒生姜、胡椒、コリアンダー、フェンネル、豆豉をブレンド。水餃子のお供はもちろん、あらゆる料理にひとふり加えるだけで旨味が増す万能調味料。
水餃子や調味料と一緒に取り寄せて欲しいのが、キクラゲ、金針菜、豚肉などを煮込んだ「ラゲー煮込み」。店の名物メニュー「ラゲーライス」のように、ごはんによそって召し上がれ。