完成形に近い『マーク11』

 正式採用された『マーク11』は、名機として名高いCal.89を搭載し、軟鉄製インナーケースは1,000ガウスの耐磁性を備えていた。この時点で、ほぼ完成形に近づいていたといえるだろう。

マークシリーズの元祖でもある『マーク11』

 その軍用だったパイロットウォッチが市販化されたのは、94年の『マーク12』からになる。『マーク11』のデザインをベースに現代的要素が取り入れられたこのモデルには、3時位置にデイト表示が配され、6時位置に「MARK Ⅻ AUTOMATIC」の文字が刻まれていた。

 そして、マークコレクションが発展していく中で、『スピットファイア』や『プティ・フランス』『ビッグ・パイロット・ウォッチ』『トップガン』などが誕生している。 

 2022年のIWCは、例年通りひとつのコレクションをベースに展開しており、今年はパイロット・ウォッチ、とりわけ“トップガン”の年となった。新素材やカラーセラミックのトップガンモデルが登場する中で、注目したいのが『ビッグ・パイロット・ウォッチ43・トップガン』である。

 21年に発表された43㎜径の『ビッグ・パイロット・ウォッチ』にブラックセラミックを採用し、『トップガン』としてラインナップに加わったのだ。

 

円錐形のリューズが特徴

『ビッグ・パイロット・ウォッチ』は、視認性を求めてケースが大きく、パイロット・グローブを着用したままでも操作しやすい円錐形のリューズが特徴。またトップガンは、パイロットのキャリア組を養成するアメリカ、サンディエゴにある海軍戦闘機兵器学校で、そのオマージュとして、堅牢かつ軽量なセラミックケースが特徴のモデルが製作されてきた。

 それらが集約され、ブラックセラミックケースの『ビッグ・パイロット・ウォッチ43・トップガン』が誕生したのだ。その名の通り、ケース、ダイヤル、ストラップ等、大半の部位にブラック色が使われている。ただ、ダイヤルに置かれた“TOP GUN”の文字だけが赤色に記されており、アクセントになっている。

漆黒のケース、ダイヤルに真っ白なインデックス、針のコントラスト。視認性の高さがよくわか

 ケース径が43.8㎜で、ケース厚は13.9㎜。軟鉄製インナーケースを採用している同社のパイロット・ウォッチとしては薄型で、装着感も程よい。セラミック製ケースに加え裏蓋もチタン製なので、見た目からは想像できないほど軽いのだ。搭載のムーブメントは、IWCのお家芸でもある、高効率な両方向巻き上げが可能なペラトン式自動巻きCal.82100で、パワーリザーブは約60時間となっている。

『ビッグ・パイロット・ウォッチ43・トップガン』は、もともと持っている堅牢性、耐磁性、視認性に加え、軽量化や簡単にブレスレットやストラップが着脱可能なインターチェンジャブル機能が備わり、現在考えられる最高の実用腕時計のひとつといえるものに仕上げられている。

問い合わせ:IWC  TEL:0120-05-1868