商品力で選ばれる「デスティネーション・カンパニー」を目指して、製造小売業としてのビジネスモデルを進化させ続けるバローホールディングス。同ホールディングスはスーパーマーケットの他、ドラッグストアやスポーツクラブなど、地域の多様なニーズに応える事業を多く展開している。バローらしさや経営課題との融合を重視して練られたDX構想について、取締役であり、流通技術本部長 兼 システム部長を務める小池孝幸氏が語る。

※本コンテンツは、2022年3月25日(金)に開催されたJBpress主催「第7回 リテールDXフォーラム」の特別講演Ⅳ「『商品・人・社会を繋ぐ』バローグループのDX構想」の内容を採録したものです。

DXありきにならず、経営課題と融合させていく

 スーパーマーケット、ドラッグストア、ペットショップ、ホームセンター、スポーツクラブなど、東海エリアを中心に約1300店舗を構えるバローホールディングス。同ホールディングスの連結子会社数は55社に上り、営業収益は約7300億円を計上する。商品を仕入れて販売するだけの小売業ではなく、製造から流通・販売までの一連のプロセスをトータルマネジメントする「製造小売業」としてのビジネスモデルが、ホールディングス内で確立されている。

 流通技術本部長を務める小池氏は、DX推進に向けてコンサルタントや他社から情報を得る中で、ある気付きがあったと語る。

「多くの方から『DXのポイントは標準化、統合化である』ということを教えていただきましたが、私はしっくりきませんでした。今後、M&Aも推し進めていく中で、手当たり次第に標準化や統合化をしていく労力がリスクになると感じたのです。DXありきではなく、バローらしさや事業計画、経営課題との融合なくして、正解は導けないと考えました」

 経営課題として捉えているのが、「製造小売業への進化」だ。同ホールディングスが内包するサプライチェーンの情報の連携を深め、継続的に商品の魅力(価値)を向上させることが一つの進化の軸になると考えたのだ。

 そして、もう一つは「顧客との接点強化」である。店舗に来店する顧客だけでなく、来店したことのない、さらには来店したくてもできない未来の顧客に向けてどのようなアプローチをしていくのか。パートナー企業と連携しながら、新たな生活・消費行動へ対応していくことを目指した。

「われわれの課題は、グループ資源を点から線へ、そして面に広げていくことです。商品力で選ばれる『デスティネーション・カンパニー』となる。そして、商品・サービス・決済で地域をつなぐ「バロー経済圏」を創造する。その実現の手段がDXなのです」