文=酒井政人 写真提供=ナイキ

左から鈴木健吾、一山麻緒

東京マラソン2021は日本人トップでゴール

 3月6日に開催された東京マラソン2021。昨年12月に結婚した鈴木健吾と一山麻緒が快走を見せた。鈴木はペースメーカーが離脱した25㎞で勝負を仕掛けて、一山は10000mとハーフマラソンの日本記録保持者・新谷仁美を40㎞手前で引き離す。終盤は向かい風に苦しめられたが、ふたりは〝同じ目標〟に向かって突き進んだ。

 鈴木はパフォーマンス日本歴代2位の2時間5分28秒、一山はセカンドベストの2時間21分02秒。同一レース夫婦合計タイムでギネス記録を更新した。ともに日本人トップに輝き、目標に掲げていたオレゴン世界選手権の日本代表もゲットしたのだ。

「日本記録を出してから1年間とても苦しかった」という鈴木と、「絶対に代表を勝ち取るつもりでした」という一山。レース後、ふたりの瞳からは涙がこぼれた。

 4月中旬に行われた『ナイキ エア ズーム ペガサス 39』の発表会に〝世界最速夫婦〟が登場。東京マラソンの取材時、オレゴン世界選手権マラソン日本代表発表時とは違って、夫婦そろってのオンラインインタビューとなったこともあり、ふたりは〝素顔〟をのぞかせた。

発表会で笑顔を見せる鈴木と一山

 まずはふたりがどんなシューズを履いているのか。東京マラソンではともにナイキ厚底レースシューズの最高峰モデルである『エア ズーム アルファフライ ネクスト% フライニット』(以下、アルファフライ)を着用していた。

 その履き心地については、「アルファフライは反発がすごくある。自分の状態が悪いときは少し扱い方が難しいんですけど、自分の状態がいいときは本当に力をくれますね。表現が合っているかわかんないですけど、弾むように楽しく走ることができるんです」と鈴木が言えば、一山も「クッションがしっかりと効いているのに軽い。反発性もすごくあるので、重心を高くして走ることができるところが気に入っています」と話す。

 ふたりがアルファフライに絶大な信頼を寄せているように、近年は厚底シューズがマラソン界を席巻している。しかし、普段のトレーニングから厚底を頻繁に履いているわけではないようだ。