文=松原孝臣
「ちょっと休む時間をとりたいです」
3度目の大舞台から約3週間。スピードスケートの高木美帆は、その間も休むことなく試合が続き、ようやく3月13日、ワールドカップ最終戦でシーズンは終わった。
北京五輪では実に5種目7レースに出場し、1000mで初めて金メダルを獲得し、500m、1500m、団体追い抜きでは銀メダルと計4つのメダルを獲得。
その後、欧州に渡り、3月5・6日には短距離から長距離までの種目で総合順位を競う世界選手権オールラウンド部門に出場。3年ぶり4度目の表彰台となる銀メダルを獲得した。
そしてワールドカップでは3月12日の1500mで優勝し最終戦となる3月13日の1000mでも優勝。有終の美を飾った。
「ちょっと休む時間をとりたいです」
高木は言う。それも無理はない。短距離から長距離までこなせるオールラウンダーとして国内外の多数のレースに出場した今シーズンだけではない。8年間、ずっと走り続けてきたからだ。いや、もっともっと、走り続けてきた。