小塚崇彦(右)とフィギュアスケート靴を開発する松本哲也。
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(取材・文:松原 孝臣 撮影:積 紫乃)

スケーターを悩ませる靴問題

 フィギュアスケーターにとって重要な道具である金属の刃「ブレード」。氷と接する部分の耐久性、品質のばらつきという課題を、自ら開発をプロデュースすることで解決を図り、「KOZUKA BLADES」(小塚ブレード)という製品に結びつけた小塚崇彦は、今、スケート靴の開発にも注力する。

 ブレード同様、あるいはそれ以上に靴もスケーターを悩ませてきた。靴も消耗品のため、選手によって交換する期間はさまざまだが、おおよそ、1カ月半程度から4カ月くらいで替える。

 トップスケーターの多くはオーダーメイドしているが、彼らが使用する靴のメーカーは海外が占めている。そのため新調してみたら靴が合わず交換に時間がかかる、というケースがしばしば出てくる。

 また、スケートの靴は、新しいものは硬い。そのため時間をかけて、ならしていく必要がある一方で、消耗して柔らかくなりすぎれば替え時だ。すると、先に記したように「合わない」という問題が出てくる。