文=酒井政人

2022年10月15日、第99回箱根駅伝予選会、力走する選手たち 写真=日刊スポーツ/アフロ

予選会には史上最多の57校が出場

 2024年の正月に開催される第100回箱根駅伝。その予選会が明日、10月14日に行われる。記念大会のため例年より出場校が「3」増枠。第99回大会で10位以内に入った駒大、中大、青学大、國學院大、順大、早大、法大、創価大、城西大、東洋大はシード権を持つため、秋の立川決戦で残りの出場校「13」が決まる。なお今回、関東学生連合は編成されない。

 そして参加資格は例年の「関東学連登録者」から「日本学連登録者」に拡大。関東学連以外からは、札幌学大、皇学館大、愛知工業大、中京大、信州大、京産大、立命大、大阪経大、放送大関西、環太平洋大、日本文理大の11校が参戦する。出場校は前回から14校増えて、史上最多の57校となった。

 選考会は各校10~12人が出走。一斉スタートして、ハーフマラソンの上位10人の合計タイムで争われる。例年より華やかな予選会。プレミアムチケットを獲得する大学はどこなのか。過去の実績とエントリー状況から探っていきたい。

 

通過が有力視される8校

 前回トップ通過で6月の全日本大学駅伝関東学戦推薦校選考会も2位通過した大東大がトップ候補になるだろう。他にも資格記録によるエントリー10000m上位10人の平均タイムで1~7位につける東海大、東京国際大、山梨学大、帝京大、中央学大、日体大、国士大も通過が濃厚だ。

 東京国際大、山梨学大、国士大はケニア人留学生で貯金が可能。特に東京国際大のリチャード・エティーリ(1年)は入学早々、5000m(13分00秒17)と10000m(27分06秒88)で学生記録を樹立しており、ハーフマラソンでも凄いタイムを打ち立てるかもしれない。

 中央学大は前回まさかの落選。全日本選考会もエース吉田礼志(3年)の失格で記録なしに終わったが、通過できるだけのレースを見せていた。帝京大は今年の箱根駅伝で1区を務めた小野隆一郎(4年)が未登録も、予選会の走りを熟知しているチーム。日体大も前回5位通過を果たしており、伝統の力で76回連続出場を死守するだろう。

 ただし、このなかで東海大は若干の不安がある。エース石原翔太郎(4年)と3年生主将・越陽汰が登録メンバーから外れたからだ。前回の予選会はブービー通過と大苦戦。しかも上位10人のうち5人が卒業して、チームトップだった吉田響(現・創価大)と同2位の石原は出場しない。花岡寿哉(2年)らスピードランナーの走りでどこまでカバーできるのか。