文=福留亮司
タグ・ホイヤーの人気コレクションから、新たなチャレンジをしたモデルが登場した。それは同ブランドらしく、テクノロジーと自然の共生を実現したものだった。
ブランド初の画期的機能を搭載
機械式時計を中心にスポーツウォッチをつくり続けてきたタグ・ホイヤーが、新しい分野に踏み込んだモデル、『タグ・ホイヤー アクアレーサー プロフェッショナル200 ソーラーグラフ』を発表した。
『アクアレーサー』コレクション自体はアウトドアライフに最適なモデルとして、すでに人気を博している。高い防水性能を誇るブランド唯一のダイバーズラインである。登場は2004年と比較的新しいのだが、そのルーツは1978年の『Ref.844』までさかのぼる。
その直後に発売された『1000シリーズ』は、すでに200mという高い防水性能を誇っており、プロダイバーたちからも信頼されるモデルだった。そこには、防水性能以外にも、逆回転防止ベゼル、ねじ込み式リューズ、発光するインデックス、サファイアクリスタル、ダブルセーフティクラスプという、ダイバーズウォッチに不可欠なスペックが備わっていたのである。
その後も、2000シリーズ、3000シリーズと、そのデザインコードとスペックは進化しながら継承されていく。そして、その流れなかで誕生したのが、現在の『アクアレーサー』なのである。
そんなダイバーズウォッチコレクションに、ブランド初の画期的機能を搭載した『タグ・ホイヤー アクアレーサー プロフェッショナル200 ソーラーグラフ』が加わったのだ。
搭載ムーブメントは「ソーラーブラフ」というソーラーモジュールと一体型のCal.TH50-00。太陽光または人工光で充電し、それがムーブメントを動かすエネルギーになる、という仕組みとなっている。
そのムーブメントは、明るい太陽光に2分間当てるだけで1日中稼働。さらに約20時間太陽の光を当てるとフル充電され、約6か月間動き続けるのである。また、リューズを引き、パワーセーブモードを有効にすると、その自律駆動時間は約3年半にまで延びるという。
万が一時計が止まった場合でも、光を約10秒当てると再び動き始めるので、光さえあれば動き続ける腕時計ともいえる。
このモデルの源である太陽光は、ムーブメントだけでなく、ダイバーズウォッチにとってもっとも重要な視認性をも高めている。針、ベゼル、インデックスなど、重要な部位には蓄光性夜光顔料“スーパールミノバ”が塗布されており、太陽が沈んでも発光し、はっきりと時間を読み取ることができるのだ。
さらに発光した色がより鮮明に見えるように、ステンレススティールケースはブラックDLCコーティングが施され、カーボンベゼルにはグリーンのスーパールミノバが組み込まれている。そしてそのスーパールミノバは、時の経過とともに岩の稜線のように浮かび上がるのだ。独特の模様は、このモデルの特徴となり、大きな魅力のひとつにもなっている。
『アクアレーサー』に秘められた哲学は、さりげなくスタイルを維持しつつも、常に勇気を持って自然の力を受け入れること。新しいテクノロジーを導入した『タグ・ホイヤー アクアレーサー プロフェッショナル200 ソーラーグラフ』は、それをしっかりと引き継いでいる。
問い合わせ:LVMHウォッチ・ジュエリー ジャパン タグ・ホイヤー ☎︎03-5635-7054