文＝甲斐みのり 撮影＝平石順一
ベルギーの小さな村で作られたビスケット
食べることが心から好きで、ことあるごとに「何を食べるか」考えている。
今日は、明日は、この仕事が終わったら、いつかあの土地に行けたら、人生最後は・・・。若い頃は思うがまま、やみくもに好きなものを口にしていたけど、歳を重ねた今は、よりよくおいしく食べ続けられるように、日々の食事とおやつの、量や素材のバランスを図るようになった。
出来上がるまでの工程を詳しく知るのも楽しくて、何かを購入しようと決めたとき、ホームページやパンフレットをじっくり読み込む。作り手が語るべき物語に触れると、見える景色や味わいも広がる。
フランス語で、「自然の贈り物」という意味を持つ、オーガニックのお菓子とお茶のブランド〈カドーナチュール〉も、一つ一つのお菓子やお茶に詰まったこだわりに惹きつけられた。身体に優しくなじみ、なおかつ素朴でおいしいものを届けたいと、可能な限り農薬や化学肥料を使わず、遺伝子組み換えを行っていない素材を選び、防腐剤や食品添加物に頼らず商品を作り出す。
それには時間も労力もかかるけれど、人と自然が幸せであるために。そんな思いに共感し、ちょっとした手土産を選ぶときにも活用している。こだわりを持つ方と会う機会の多い出張前によく通る、東京駅八重洲北口の〈東京ギフトパレット〉内に店舗があるのと、出かけられないときにはオンラインショップを利用できるのも便利だ。
カドーナチュールのビスケットが作られているのは、フランスとの国境近くにある、ベルギーの小さな村。ヨーロッパのBIOオーガニック認証を取得した、スペルト小麦、バター、砂糖などを使い、オリジナルレシピをもとにアトリエで焼き上げ、自然の風味や力強さをそのまま感じられる、さっくりとした仕上がりに。バター、チョコレート、レモンなど種類も豊富で、5枚入りの小ぶりの缶も、数日・数人で食べきるのにちょうどいいサイズ。
漢方にも使われる「粉三年番茶」
ビスケットと同じサイズの缶に入っているから、ビスケットと合わせた贈り物に選びやすい粉茶も、相当なこだわり。一切の農薬や化学肥料を使用せず、太陽、水、大地のエネルギーのみに頼る自然栽培法をとり、自然な環境と循環を維持するため収穫するのも年一度に限っている。そうして力強く育った茶葉は、より健康的で効能が高く、免疫力を高めると言われる。あえて粉末にしているのも、幹から葉まで全部食べることができる自然栽培ゆえの形。
渋みと甘みのバランスがとれた上品な風味の「粉煎茶」は、和洋菓子にも食事にも合い、ホットミルクに溶かしても。3年に一度の収穫で漢方にも使われる「粉三年番茶」は、ポカポカと身体を温め、免疫力を高める効果が期待できる。粉茶の種類も数種類あるので、自分自身や、プレゼントする相手の好みを考えるのも楽しい。
他にも、国産の小麦粉とフランス産の甜菜糖で作る、ふっくら優しい食感のカステラを始め、チョコレートにロールケーキ、オーツやおからのビスケットと、全てが滋味に富んでいる。
