変革を支えたITツール導入、数値に見えるDXの成果

 さらなる高みに進むため、私たちはワークスタイルを変えていきました。ノルマを廃止し、人事プログラムを変え、権限を移譲して自治で運営できるよう推奨してきたことで、どこで働くのか、どう時間を使うのかという権限は社員にありました。

 そこで、この段階でオフィス移転を行いました。一気にフリーアドレス化し、自宅でのリモート勤務など、場所や時間を選ばない働き方が加速的に広がりました。この時にテレワークが社内に普及していたこともあり、新型コロナウイルス感染症というパンデミックに対しても、特に大きな対策を打つことなく社員に安心安全を提供できました。

 この間、さまざまなITツールを導入してきました。これを私たちはDXだと捉えています。多くは仕事を改革するために用いてきたものです。その成果を下図にまとめました。

 昨年3月の緊急事態宣言発出時は、在宅勤務の回数制限を解除し、コアタイムを設けないスーパーフレックスに移行する程度で対応できました。さらに紙や捺印があって在宅勤務が難しい経理財務部門も、「BlackLine」というツールを使って全てリモートで決算できています。24時間365日サービスを提供しているコールセンターも在宅業務にチャレンジし、AWS、CRMなど、さまざまなITツールを活用して実現することができました。

 DXは、ITツールの導入と捉えられがちですが、導入するだけで効果が出るような“魔法のつえ”ではありません。各社が抱えている本質的な課題を社内で共有し、意識改革、組織改革をしていくことが必要です。経営側の大号令だけではなかなか社員は動きません。ともに成長し、伴走しながら、業務改革、仕事改革を実施した上で、適切なタイミングでツールを導入するというプロセスが重要ではないかと考えています。

 私たちのゴールも、働き方改革が頂点ではありません。私たちが抱えていた大きな課題の一つのゴールと捉え、この4年間さまざまな施策に取り組んできました。ここまで約68%の社内システムをクラウド化できており、これは省電力にも貢献ができるなど、SDGsの活動にも間接的につながっています。2021年中には、100%のクラウド化を達成できるよう挑戦を継続してきます。

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