モノづくりだけでなくビジネスを考える人が活躍できる業界に

――人材に求められる素養も変わってきているのでしょうか。

大洞氏 今まではモノ作りが好きな人たちが多かったですね。ただ、最近の現場は機械化、自動化が進んでいて、技術が平準化されて職人気質の人は少なくなってきました。

 昔のような3K(きつい・汚い・危険)職場ではなく、クリーンな方向に向かっています。営業やマーケティングはさらに変化が大きくて、印刷のやり方にこだわる人は少なくなっています。

林氏 営業職でも昔は印刷物の製作工程や現場とうまくコミュニケーションできる人が優秀だと言われてきましたが、最近では損益の計算方法といった数字や物事を筋道立てて会話ができる論理的思考の素養が重視されるようになっています。

 教育のやり方にしても、ビジネスマンとしての素養を備えた上で、印刷とかシステムの裏側を知ってもらうようにしています。印刷の知識は後からです。ビジネスにもシステムにも物事に対して好奇心が旺盛で、前のめりで取り組める人が欲しいですね。

大洞氏 求める人材の質が変わってきましたね。印刷よりマーケティングや著作権、ネットやITと言ったビジネス全般を理解できて、プロジェクトをコーディネイトできる人材が求められています。これは印刷業界だけに限ったことではないとは思いますが。

小松氏 お客様の話を聞いて「どう印刷するのか」という印刷物の提案をする営業マンでは仕事が取れなくなっていますよね。

林氏 印刷会社は2万社近くあって、この20年で半減したとはいえまだ需要に対して供給が多いのが現状ですから、差別化を図らなければ生き残れません。世の中のニーズとつなげることで、仕事を生み出していくしかないと思っています。

大洞氏 私はそこに大きなチャンスがあると考えています。印刷会社は全ての業種と取引できて、独自にB2Cのビジネスを展開することもできます。全ての人がお客様と捉えることができる印刷業界では、市場は無限にあるわけです。

 今はどんなビジネスでも、どんなサービスでも作っていけるということに面白みを感じています。それを一緒に楽しんでくれるベンチャー気質の人に来てもらいたいですね。

小松氏 受け身でやっていると面白くないかも知れませんが、いろいろな業種と付き合えるので、販促の計画を提案して、実行して結果を見て、次のプランを考えることをやっていると、幅広い経験ができる業界です。いろいろチャレンジしたい人には合うと思いますね。

林氏 お客様からもそうしたアプローチが求められるようになってきましたね。こちらがちゃんと反応すれば仕事が広がるのが実感できます。PDCAをお客様と一緒に体感できることは営業としては一番面白いところです。お客様のビジネスに貢献していることが実感できます。

小松氏 少しでも多くの人に当社の仕事の面白さを分かってもらうために、最近当社ではYouTubeを使ったPRも始めています。