データ統合における課題

加固:ピツニーボウズジャパンは、郵便発送業務の効率改善などのソリューションを提供していることもあり、当社をご存じの方からは「郵便の会社でしょ?」と言われることもあります。しかし当社の実像は、顧客データ統合ソリューションをはじめ、地図情報を活用した分析ソリューションや顧客コミュニケーション促進ソリューションなどのサービスやデータ提供を行っているテクノロジーカンパニーです。

加固秀一氏
ピツニーボウズジャパン株式会社 ソフトウェア事業本部 執行役員

 お客さまの抱えるデータ活用における課題として、「顧客データベースが分散されており、契約状況が統一化されていないため、非効率な営業活動をしている」「各データの書式・形式がばらばらで、更新されていない」「自社の顧客データと外部データを掛け合わせた顧客像の分析ができておらず、不明確である」といった点が挙げられます。

 顧客データをマーケティング施策や分析に活用するためには、書式や形式の標準化や誤記の修正、重複削除などを含めたデータの整理に加え、統計データや位置情報といった外部データをはじめ、社内のその他のデータベースと照合するなどの加工が必要です。そのためには、処理ごとにソフトウェアが必要になる場合もあり、これを容易に実現できる効率的なシステムが求められています。

 今回ご紹介する「Spectrum」は、高品質な顧客データを生成し、位置情報や空間情報・統計データといった外部情報を付与することで、顧客の地域特性や行動範囲を浮かび上がらせることが可能です。
 
 例えば、大手SNSが採用しているチェックイン機能では、GPSの緯度経度情報から住所情報を取得(リバースジオコーディング)し、これが所定の住所フィールドに自動的に入力されるというサービスです。このリバースジオコーディングには、当社の「Spectrum Spatial」という製品が採用されています。また、チェックイン機能に限らず、写真やテキストなどを投稿するタイムラインのイベントにも、位置情報タグを使えるような仕様変更が実装されており、ここにも「Spectrum Spatial」が採用されています。

 このように「Spectrum」を導入することにより、自社の持つ顧客データの品質向上と地理的な傾向が可視化できるロケーション・インテリジェンス機能を組み合わせることで、より高度なマーケティングを実現できるようになります。結果的に顧客満足の高いコミュニケーションが可能になり、ビジネスパフォーマンスの向上へとつながります。