本コンテンツは、2019年7月19日に開催されたJBpress主催「Digital Innovation Forum 2019 <夏> ~デジタル変革によるイノベーションの実現~」での講演内容を採録したものです。

(登壇者)
・伊藤忠テクノソリューションズ株式会社
  マーケティング企画部 課長 鈴木 智氏
・ピツニーボウズジャパン株式会社
  ソフトウェア事業本部 執行役員 加固秀一氏
・伊藤忠テクノソリューションズ株式会社
  マーケティング企画部 主任 野中正喬氏

DXを成功に導く「5つのステップ」

鈴木:伊藤忠テクノソリューションズ(以下、CTC)は、1979年の設立から今年で40年を迎える中、IoT、ロボット、クラウド、セキュリティ、そしてグローバルをテーマに新たな挑戦を続けています。市場の変化に対応した全社横断的なデータ活用を行うにはどうすればよいのか―。本講演では豊富な実績と経験を基に、顧客データ統合の課題と解決方法について事例を踏まえながらご紹介します。

鈴木 智氏
伊藤忠テクノソリューションズ株式会社 マーケティング企画部 課長 

 Google、Amazonなど「GAFA」と呼ばれる米国のIT企業をはじめ、アリババ、テンセントといった中国企業の台頭も著しい中、日本企業がグローバル市場において存在感を発揮していくためには、最新のデジタル技術を活用することで新たなビジネスモデルを創出し、変革につなげていく「デジタルトランスフォーメーション(以下、DX)」が求められます。

 このような市場の変化を的確に捉え、DXを実現するためには、全社のさまざまなシステム上に散在している顧客データを統合し、マーケティング戦略や新規ビジネスモデルの開発などに柔軟かつ迅速に活用していくことが不可欠です。しかし、多くの企業では、既存のシステムが事業部門ごとに構築されていたり、老朽化や過剰なカスタマイズにより複雑化・ブラックボックス化してしまっている結果、全社横断的なデータの活用が困難であるケースが見受けられます。さらに、この問題の解決には、維持・保守コストの高騰や先端IT人材の不足、セキュリティリスクの高まりなど、さまざまな課題が付いて回ります。
 
 電通アイソバー(※)によれば、DXの実践には以下の「5つのステップ」を正しく進めることが必要だと考えています。

<5つのステップ>
Step1. デジタル化 = IT化
Step2. 効率化 = 個別の作業を効率化
Step3. 共通化 = 重複作業(似たような作業)を共通化
Step4. 組織化 = 複数の作業を組み合わせる(クラウド)
Step5. 最適化 = 新しい価値、ビジネスモデル → イノベーション

(※)電通アイソバーblog「5つのステップで考えるデジタルトランスフォーメーション」より引用。「=」の右側はCTCによる解釈。