一般生活者が日常的にIoT体験をする未来は近い(写真はイメージ)

 この度ご縁があり、IoT Todayに連載することになりました1→10drive(ワントゥーテンドライブ)です。私代表の梅田やCTOの森岡らで書いていく予定ですので、よろしくお願いします。

 さて、IoT Todayの読者の皆さまは、「IoT」にどのような印象をお持ちですか? 「最近ビジネスではよく聞くワードだけど、実は一般生活においてはイマイチ実感がない」という方も多いのではないでしょうか。

 この連載では、そういったイメージを少しでも崩して、IoTをより身近なものに感じていただければ、という視点で書いていきたいと思います。

大手のコアテクノロジーやビジョンを起点にIoT/AIのテクノロジーで協業

 まず簡単に弊社1→10driveについて、ご紹介いたします。

 1→10グループは、クリエイティブとテクノロジーを組み合わせたものづくりをしている企業です。展開領域について、広告プロモーション、IoT等の商品サービス、ロボット、エンターテインメントと、その幅を年々拡げており、来年で創業20年を迎えます。その中で、1→10driveは「IoT等の商品サービス」領域を担当する事業会社で、IoT/AIの潮流を捕える形で昨年設立いたしました。

 「Brand Prototyping」を理念としており、メーカーなどのクライアントの商品・サービス開発をご一緒する際、プロトタイプ開発、あるいはその手前の企画開発から提案・担当させていただくケースが多いのが特長です。

 さて、IoTやAIという単語、ビジネス上の雑談やFacebookのニュースフィードなどでよく見かけるようになりましたよね。もはやバズワードというよりもすっかり定着した感もあり、今後10年単位の潮流をなお捉えているものと思います。

 IoT/AIに関連するテクノロジーの話題も花盛り。領域は多岐に渡り、正直私も追いついていくのが大変です。

 「大切なのは分かっているけど、本業の維持もブラッシュアップもきちんとやらないと・・・(なので手を出したくても出しづらい)」という声もよくお聞きします。

 今、大手メーカーとベンチャーとの協業が多くなってきたもの、そういった背景があるからだと思われます。

 取り組みの形も色々とあるようで、たとえば、ベンチャーの新規技術を買い取り、大手メーカーの基幹技術に組み込んでいくパターンや、両社で協働プロジェクトを立ち上げ、大手メーカーの基幹技術/主力製品を起点に、ベンチャーの応用技術を掛け合わせていくパターン等あります。

 弊社がベンチャーかどうか、という議論はさておき、弊社も後者のパターンです。重要なのは、クライアントの基幹技術、あるいはその手前にあるビジョンやコンセプトを理解した上で、いかにそこにマッチするテクノロジーを選別するか、ということです。これが逆になると上手くいきません。

プロジェクトの方向性をプロトタイプ開発で掴む

 おそらく仕事の進め方や社風も異なる両社の目線をプロジェクト内で合わせていく観点でも、また、大手メーカーが外部と取り組む意味合い(の実感)をより早く掴む観点でも、そして何より両社の協働プロジェクトで成果をもたらす商品開発を具現化する観点でも重要になってくるアプローチが「(ラピッド)プロトタイプ開発」です。

 ラピッドな(ざっくりとして素早い)プロトタイプの開発により、いま進んでいる開発の方向性を、具体的な体験をもって掴むことができます。

各レイヤーのスペシャリスト全員が、ブランド要素すべての開発に関わる

 「ウォーターフォール型」のかっちりとした開発は、確実なプロダクトをつくっていくのにはとても適していますが、不確実性の伴ったチャレンジングなプロジェクトにはやや不向きです。この場合、「触れるモノをつくってみたけど、ちょっとダメかも・・・」という時点では既にかなりの時間と費用を掛けてしまっています。

 一方、「円卓型」(と今、名付けました)では、エンジニアもデザイナーもプロデューサーも、あるいはクライアントのリーダーも、同じテーブルに座り、気軽にブレストを積み重ねます。

プロトタイプに実際に触れながら、ブレストを積み重ねくいく

 同時並行でプロトタイプ(体験モックやラフスケッチ)を開発して、プロジェクトメンバー全員で実際にプロトに触れる体験を共有して、さらに議論を深めていく・・・。このアプローチであれば、軌道修正もしやすく、また実際に使うであろう一般生活者の視点にいち早く立って、進むべき概観を捉えることもしやすいのです。