セブン・ドリーマーズ・ラボラトリーズ株式会社 社長室長の佐藤誠氏

2017年3月に予約販売の開始を控えている全自動衣類折りたたみ機「laundroid(以下、ランドロイド)」。CEATEC JAPAN 2015で発表され、世界中から注目を集めている。そんなランドロイドを手掛けるセブン・ドリーマーズ・ラボラトリーズ株式会社のrobotics事業部で開発に携わっている五島暢之氏(以下、五島氏)と、社長室長の佐藤誠氏(以下、佐藤氏)に話を伺った。

IoTで折りたたみデータ収集。2Lから3Lまで対応可能に

2017年3月に製品版第1弾「laundroid 1(ランドロイドワン)」の発売を控えた今、「開発状況はどのようなところまで来ているのか?」という質問に対して答えてくれた開発担当の五島氏。

robotics事業部 五島暢之氏

「現在はIoTを駆使して世界中から折りたたみデータを集め、AIによって学習させています。2Lから3Lくらいの大きいものを折りたたむところまで出来るようになっていますが、赤ちゃん用の服や幼児服など非常に小さい衣類をたたむ際には課題も残っています。今後も学習データを集め、より精度の高い“たたみ”を実現していきます」(五島氏)。

2017年3月に発売されるlaundroid 1を皮切りに、2018年には介護福祉施設、病院向けモデルを発売。2019年には、洗濯乾燥機と折りたたみ機を一体化したオールインワンモデルを、2020年にはホームビルドインタイプも発売予定となっている。

コミュニケーションが最大の鍵。課題をチャンスに変える発想も大事

開発する際に苦労していることを尋ねると、チームごとのコミュニケーションを円滑に行うことだという。

「開発を行う技術者はコミュニケーションをとるのが苦手です。仕事にプライベートを持ち込んでしまい、好きな人か嫌いな人かによって話をするかしないか決めることもあるのです。各チームにまとめ役をつけていますが、現場からまとめ役まで話が上がってこないこともあります。『本当はこうなっているけど、なんでこうなっているのだ?』と自分で現場まで直接聞きに行くこともしばしばありました。それはそれで面白いと感じることもあって、直接話を聞きに行くことから新しいものが生まれることもあるのです」(五島氏)。

自ら現場にヒアリングを行い解決しているという五島氏は、課題もチャンスと捉え、面白みの一つと感じているようだ。