デフィデ株式会社 JOB Scope事務局 広報担当 小川 りかこ氏

 労働力減少が深刻化する中、「ワークエンゲージメント」が組織のパフォーマンス最大化に貢献する重要な指標として注目されている。だが、エンゲージメントは数値化が難しく、成果が見えにくいという課題もあった。生成AIを使ってその課題を解決しようとする取り組みも始まっている。2024年9月13日(金)にオンラインで開催されたJBpress主催 「特別企画 ワークエンゲージメントフォーラム」では、先進的な事例も取り上げられた。以下でその内容を詳しく紹介する。

生産性は約17%も向上、組織のパフォーマンスに貢献する「ワークエンゲージメント」

「生成AIで実現する組織改革:エンゲージメント向上の新戦略」と題したセッションを行ったのは、デフィデ株式会社 JOB Scope事務局 広報担当の小川りかこ氏だ。

 同社は、HRテック、FinTech、AIソリューション、DXコンサルティング、DX開発などを手掛けている。中でも、日本企業に最適化したジョブ型タレントマネジメントを可能にする人事制度改革プラットフォーム「JOB Scope(ジョブ・スコープ)」を提供し、多くの企業から支持されている。

 小川氏によれば、「ワークエンゲージメント」とは従業員が仕事に対して持つ情熱や意欲、そして組織への誇りや献身を指すという。いわば、従業員が仕事にどれだけエネルギーを注ぎ、集中し、意義を感じているかを表すものだ。組織のパフォーマンス最大化に貢献するとして、ワークエンゲージメントに関心を持つ企業が増えてきている。

 興味深いデータもある。「実際に、エンゲージメントが高い従業員は、低い従業員よりも約17%生産性が高く、また、エンゲージメントの向上により、収益性が約21%向上するという調査結果もあります」(小川氏)。エンゲージメントを高めることにより、生産性と収益性が上がり、組織の競争力が大幅に向上することが期待されるわけだ。


出所:デフィデ株式会社

 また、ワークエンゲージメントは優秀な人材の確保と定着にも影響するという。「エンゲージメントの高い組織は離職率が40%低いと言われています」と小川氏は紹介する。エンゲージメントを高めることにより、企業は人材流出を防ぎ、継続的に高いパフォーマンスを維持できる環境を構築できるだろう。

エンゲージメントの数値化が難しく取り組みが進んでいない

 技術革新や市場変化により企業はより柔軟で迅速な対応が求められている。このような環境下では、従業員が高いエンゲージメントを持ち主体的に行動できるかどうかが企業の成功を左右する。

「イノベーションに関しても、エンゲージメントの高い組織は、そうでない組織と比べて、イノベーションに関与する従業員の割合が20%高いと報告されています」と小川氏は語る。

 このほか、エンゲージメントの高い組織では、「顧客満足度が約10%向上」「欠勤率が約41%低減」「事故発生率が約40%減少」といったさまざまなパフォーマンスに深い影響があるという調査結果もある。まさにエンゲージメントは、企業の競争力を維持し、市場での成功に不可欠な要素と言える。


出所:デフィデ株式会社

「ただし」と小川氏は加える。「エンゲージメントが重要視されているにも関わらず、企業における取り組みがなかなか進んでいません。背景には、エンゲージメントの数値化が非常に難しい点があります。エンゲージメントは、従業員のモチベーションや感情、忠誠心など主観的で複雑な要素から成り立ちます。これらを正確に数値化することは容易ではありません。多くの企業がエンゲージメント測定を試みていますが、全体のおよそ36%が効果的に進められていないと言われています。さらに、エンゲージメントの測定結果が業績に正確に反映されていないと感じる企業が約60%に達しています」

 エンゲージメント向上施策には多くのリソースと時間が必要だ。しかし、具体的な効果が見えにくいため、経営陣からの指示を得にくい場合も多いと小川氏は指摘する。

生成AIを活用して「人と組織の課題」を見える化し、効果的な改善策を提案

 エンゲージメントをより効果的に測定し、その結果を企業成長につなげるためにはどのような方法があるのか。

 小川氏は次のように紹介する。「生成AIなど新たなテクノロジーの活用もその一つです。当社では生成AI技術を活用したエンゲージメントサーベイ『JOB Scope 生成AIエンゲージメントFit & Gap分析』を2024年9月末にリリースしました。エンゲージメントの数値化だけでなく、定量・定性データの分析、さらに具体的な改善策も提案する新しいアプローチです」

 従来のエンゲージメント調査は、一般的に集団レベルでのデータ分析が中心だったが、「JOB Scope 生成AIエンゲージメントFit & Gap分析」では、従業員の属性や組織の独自性に合わせてカスタマイズされた質問を生成、分析できるという。各従業員の個別の状況やニーズに合わせたフィードバックが可能で、適切なアドバイスを提供できる。


出所:デフィデ株式会社

 スマートフォン対応のチャット形式サーベイでは、心理カウンセラーのように従業員に寄り添った自然な会話で質問を進めるだけでなく、回答に応じて励ましのコメントなども返すという。自由記述の回答から感情分析でポジティブ、ネガティブ判定が行えるのも生成AIならではだ。

JOB Scope 生成AIエンゲージメントFit & Gap分析」の分析結果を、組織改革にどのように生かすことができるのだろうか。

「大きな特徴は、定量・定性・感情分析の各側面からエンゲージメントを包括的に評価し、どのカテゴリがエンゲージメントに大きな影響を与えているかが明確になることです。その名の通り、『Fit & Gap』を見極めることで、組織の強みと改善が必要な部分を明確にし、より効果的な改善策を導き出すことが可能になります」と小川氏は話す。

 テスト導入した企業からは、「従来、コンサルティング会社に依頼していたのと比べると大幅にコストや時間が削減できた」「生成AIがインサイトと具体的なアドバイスを提供してくれるので、迅速に組織改善に取り組むことができた」といった評価を得ているという。

 ワークエンゲージメントを向上させたいと考えながらも、数値化の難しさなどに課題を感じていた企業にとって、「JOB Scope 生成AIエンゲージメントFit & Gap分析」は救世主となりそうだ。トライアル版も用意されているため、関心のある企業にはぜひ利用を勧めたい。

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