5. Nigel Cabourn
無骨なビンテージオックス生地を手懐けていく楽しみ
ブランドと同名の英国人デザイナーが手掛けるナイジェル・ケーボン。自身の私物であるヴィンテージミリタリーやアウトドア服から発想を得て作る、機能的かつ着込むほどに味の出るコアなウエアが世界中の服好きから絶賛されている。
なかでも10年来の定番となる一着は、生地へのこだわりが実にユニーク。フレンチのワークパンツをベースとし、ヘビーな厚手ながら洗濯等を繰り返すことで肌に馴染む、独自のヴィンテージ・オックスフォード生地を糸から作り出しているのだ。美麗な貝ボタンを採用し、日本製の専用ミシンを導入し、割れや欠けなど起こさぬよう縫い付けにも配慮を尽くしている。無骨な手応えをもつ一枚だが、長年丁寧に付き合うことで、かけがえのない相棒へと変化する。