文=甲斐みのり 撮影=平石順一
ごはんのおともだけでもなく、災害時の備えにも
東京スカイツリーの足元に広がる、新しい下町をテーマにした商業施設「東京ソラマチ」を訪れたときのこと。「立ち喰い梅干し屋」に行列ができていました。そこは、全国の梅干しを300種類以上食べ歩いた店主が、自信を持って紹介したい数十種類のさまざまな梅干しを、静岡の自然製法茶と一緒に立ち喰い形式で味わうことができる珍しいお店。
好きな梅干しを3粒選んで食べ比べができたり、絶品梅茶漬けがあったり、梅干しに合うお茶ベースのお酒なるものも堪能できます。カウンターや、背後の壁に沿って、瓶入りの梅干しがずらりと並ぶ風景は圧巻。気に入った味は、グラムや粒数を伝えて量り売りも可能です。梅干しに親しみのある日本人はもちろんのこと、海外からの観光客も、思い思いに梅干しを楽しんでいるのが印象的でした。
ショップには、おみやげにも嬉しいさまざまな梅干しやグッズが取り揃っていますが、中でも人だかりができていたのが、「ウメボシカルタ」のコーナー。「1粒でいいから食べてみたい!」「いろいろな梅干しを味わいたい!」そんな欲求を満たしてくれるシリーズ。個性豊かな12種類の梅干しを1粒ずつ、カルタを思わせる色とりどりの蓋付きのカプセルに入れて販売しているのです。
12種類の梅干しは、はちみつ梅、鶯、辛子梅太子、三年梅、稲積梅、すっぱい梅、しらら、みかん梅、キムチ梅、焼き梅、こんぶ梅、燻製梅。
こうして名前を見るだけで、どんな味か食べてみたくなりませんか?
カプセルの蓋を開けるとその裏側に、ギャグ漫画家・和田ラヂヲさんの、思わず笑みがこぼれるイラストが描かれているのも、楽しみの一つ。3個、6個、12個入りは化粧箱があるので、ギフトにも喜ばれます。私は、お世話になっているごはん好きの方へ、新米とともにプレゼントしました。
1000年以上も歴史があり、クエン酸が豊富な梅干しは今、災害時や緊急時の非常食としても注目されているそう。梅干しを思い浮かべるだけで唾液が出てきますが、唾液は健康を維持する上で必要不可欠。ごはんのおともとしてだけでなく災害時の備えとしても、私たちを支えてくれる存在です。
「立ち喰い梅干し屋」で選ぶもよし、ウェブショップで購入もできます。