文=山口 謠司 取材協力=春燈社(小西眞由美)

写真=アフロ

 仕事上、上司に相談や書類のチェックなどを頼む機会は多いと思います。

 そんなときもありきたりの言い方ではなく、センスのある頼み方ができると、好感をもたれます。

 あなたのちょっとした言葉遣いから職場の人間関係も良くなり、仕事のパフォーマンスも高まるという、プラスの循環も生まれるのではないでしょうか?

 

頼み事をする時のコツ:声をかけるタイミングと前置き

 上司に頼み事をする際、気を遣いたいのがタイミングです。緊急を要することでしたら、もちろん時を選ばず声をかけてよいのですが、そうでない場合は自分の都合を優先せず、上司がどのような状況かを見極めましょう。

 上司が何をしているか観察することは、部内の状況を把握できたり、何かの折にサッとサポートできたり、自分の仕事にも役に立ちます。

 また、今だったら大丈夫と思った時、声をかける言葉がとても大切です。

「すみません。ちょっと今、いいですか?」

 ではラフすぎて、デキる感じはまるでしませんね。

「お忙しいところ畏れ入りますが、少しお時間を頂戴してよろしいでしょうか?」

 ではどうでしょう。

「お時間を頂戴する」という表現は、忙しい相手の貴重な時間を私のためにいただくということなので、相手をとても尊重している気持ちが伝わります。

「ご相談させていただいてよろしいでしょうか」

 も良い表現です。

 相談の「相」は、心で相手のことを思い、相手も自分のことを思ってくれているという「相思相愛」の使い方と同じです。

「談」はあれやこれや語る、という意味なので、心で思っていることをお互いに語って、よい落とし所を見つけることが「相談」です。ですから自分の考えも述べ、相手の意見も求めます。

 同じ気持ちを表した「お知恵をいただけますか」という言い方でもいいでしょう。

 通常の相談事ではなく、特別な相談の時は「折り入ってご相談したいことがあるのですが」と「折り入って」をつけると、相手を信頼していることがさらに伝わる表現になります。