本コンテンツは、2020年3月4日に開催されたJBpress主催「Digital Innovation Forum 2020 <春>〜デジタル変革によるイノベーションの実現〜」での講演内容を採録したものです。
ヤフー株式会社
テクノロジーグループ データ統括本部 データソリューション事業本部長
谷口 博基 氏
※所属・肩書は2020年3月当時のもの
月間5000万人が利用する、ヤフーのデータ活用
ヤフージャパンの月間ログインID数は約5000万人、100を超えるサービスを提供し、国内におけるアプリダウンロード数はナンバーワンになっています。
これらのサービスから集まるビッグデータは多種多様ですが、大きく、「興味関心」、「購買情報」、「位置情報」、「デモグラ(属性)」の4つに分けられます。
「興味関心」とは、検索やメディア閲覧など、ユーザーが興味を持っている内容。「購買情報」とは、Yahoo!ショッピング、PayPayモールなどでの購買データ。「位置情報」は、地図やカーナビ、乗り換えなどに関するデータ。「デモグラ」は、IDにひも付く、性別、年齢などのデータです。
ヤフーでは年々増加するこれらのビッグデータを活用するために、システムや研究開発などにも大きな投資をしています。
社内のデータ活用の体制についても、さまざまな取り組みをしています。2017年からは全社のデータを司るポジションとして、チーフ・データ・オフィサー(CDO)を設置しています。また、各事業やグループ会社にデータ・ディレクターを置き、各事業・グループ会社におけるデータ活用、中央と連携する体制を組んでいます。
ビッグデータは集めるだけでなく、事業に貢献することが大切です。ヤフーではビッグデータを活用し、サービスを改善しています。
例えば、Yahoo! JAPANアプリでは機械学習を導入しユーザーの利用時間を5年で約2倍に上げることに成功しています。また、Yahoo!ショッピングでは、注文履歴が一定期間ないユーザーへ、検索データを活用し商品をレコメンドしたところ、通常の商品レコメンドと比べてCTR(クリック率)が約4.5倍になりました。
また、グループのジャパンネット銀行ではYahoo!ショッピングの出店店舗向けの融資にあたって機械学習により与信を行ったところ、融資可能店舗が50%増加しました。