データによるエネルギー革命に向けて
デジタルを駆使した情報共有の仕組みづくりを

――日本の企業がDXを推進する中で、ウイングアーク1stはどのような関わり方をするのでしょうか。

ウイングアーク1stは今、「The Data Empowerment Company」を掲げ、「データによりエネルギー革命を起こす」と宣言しています。これは、非効率だった業務をデジタル化し、ITツールの活用でスピードを劇的に上げることを意味しています。例えば、月次の売上集計一つ取っても、現場から伝票を集めて電卓を叩き、Excelに入力して集計結果を出力して経営陣に提出する作業だけで、これまでは経理が総出で1~2週間かかっていました。それを、ダッシュボードによって関係者が瞬時に共有できるようになるわけです。こうして、これまで単純作業に奪われていた人々のエネルギーを、デジタルデータによって解放し、企業が前進する力に振り向けるのです。

狙うところは効率向上だけではありません。これまでは蓄積するだけでなかなか利用まで踏み込めなかったビッグデータを分析し、事実に基づく経営戦略や新事業の創造、画期的なビジネスモデルの検証などを行い、企業が次のステージへと進んでいく。われわれはその先導役でありたいと考えています。

――データを持っている企業が有利なのでしょうか。

そうとは言えません。考えなくてはならないのは、いかにデータを使える形でデジタル化するかです。これまで多くの企業では、部署ごと、業務ごとに最適化されたデータを活用する、いわば「点のデジタル化」が中心でした。しかしこれからは、それらを線でつないでいくことが必要です。社員だけでなく関係する全てのメンバーが、情報をどこでも共有できるようにするためには、データの仕様の標準化と基盤の整備が欠かせません。これなくしては、データによるエネルギー革命はあり得ません。データは企業をめぐる血液であり、基盤は血管として、それを全身に行きわたらせるのです。

これらが整えば、どこでも同様のクオリティーで仕事ができるため、移動に掛かるコストや時間も減らすことができ、より自分らしい働き方へと近づいていきます。そうなれば、ストレスが減る半面モチベーションは向上し、ビジネスの品質と効率はおのずと高まるはずです。