なぜ鉄道だけが自前でインフラを抱えなければならないのか?「赤字ローカル線」存続と改善のカギ握るインフラコスト
三重県を走る三岐鉄道北勢線はかつて近鉄の路線で、近鉄の廃止方針後に三岐鉄道に引き継がれた。土地だけは沿線自治体の所有、線路や駅など鉄道施設は三岐鉄道が所有する、変則的な上下分離となっている(筆者撮影、以下同じ)
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筆者が撮影したデジタル写真で最も古く残っている「あずさ」の写真を見つけた。2000年1月6日に新宿駅で撮影したもので、1996年発売の富士フイルム製35万画素デジタルカメラ「クリップイットDS-7」で撮ったから画質がすこぶる悪い。
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1999年に「クリップイットDS-7」で撮影していた日立電鉄の電車。同線は茨城県常陸太田市の常北太田駅と日立市の鮎川駅の間の18kmを結んでいたが、2005年に橋の設備更新の経費がかさむなどの理由で廃止された。沿線人口も利用者もそれなりに多く、公的に支援できれば現在まで公共交通として活きていたかもしれない鉄道である。
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岐阜県の大垣駅にある養老鉄道のホーム。鉄道用地は近鉄が保有し、一般社団法人養老線管理機構に貸与されている。機構は、鉄道施設の保有と維持管理のほか、車両の保有も行っている。
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2023年に開業した宇都宮ライトレールは、法律上は「鉄道」ではなく路面電車と同じ「軌道」だが、設備は宇都宮市と芳賀町が保有して、宇都宮ライトレール株式会社が運行する上下分離方式である。
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石炭輸送時代の重厚長大な設備が残る北海道の室蘭本線。運行も保有もJR北海道が行うが、厳しい経営状況下の上下一体のままでは、鉄道の役割の変化に応じて必要な整理縮小さえも進まない。
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