
ビジネスの現場でのAI活用に関心を持つ企業も増えている。ただ、急速な技術の進化に加え、セキュリティ上の懸念などもあり、AIの導入をどこから、どのように進めれば良いか分からないという声も少なくない。そのような中、数多くの企業のDX、業務改善を支援するサイボウズのノーコードツール、kintone(キントーン)でも「kintone AIラボ」というAIを活用した新しい機能をリリースした。どのようなものか紹介していく。
「kintone AIラボ」について
kintone AIラボでは、ノーコードの業務改善ツール、キントーンにAI技術を取り入れることによって、業務改善やデータ活用が加速していくことを目指している。kintone AIラボは専門知識がなくても誰でも活用できるAIで、あらゆる人の「もっと良くしたい」を叶えていくことをコンセプトとしている。
現在、kintone AIラボでは「検索AI」、「アプリ作成AI」、「プロセス管理設定AI」の3つの機能がある。それぞれ詳しく見ていきたい。
機能①:検索AIとは
キントーンの「検索AI」は、質問に対しキントーンのアプリに登録されたデータからAIが適切な回答を生成する機能だ。キントーンのさまざまなアプリ内に点在するデータを、アプリを跨いで参照し回答してくれる。
検索AIを活用することで、ノウハウや社内情報の共有、社内規程の確認などによる検索時間の短縮が期待できる。例えば、商談の場面では過去の類似案件データをもとにAIが効果的なヒントを提示するなど、幅広い業務での活用が可能だ。キントーン内の複数のアプリに散在する情報もAIがまとめてくれるため、必要な情報を迅速に見つけ出すことができる。
検索AIを活用することで、検索時間の短縮や業務知識のキャッチアップなどが期待できる。拡大画像表示
実際に使用している企業からは、「キントーンに蓄積された社内の情報をAIで有効活用できる」という点に多くの期待が寄せられている。複数のアプリを横断して検索するので、情報を見つけやすくなる。また、キントーンで設定したアクセス権が反映されるので、安心して利用できる点も評価されている。特に、AIに不慣れなお客様からも「設定が簡単で、AIに初めて触れるきっかけになった」との声があり、AI活用がデータ登録を促し、キントーン全体の利用促進に繋がるという好循環も生まれている。
機能②:アプリ作成AIとは
キントーンの「アプリ作成AI」は、チャットでAIと対話をしながらアプリを作成する機能だ。作成したいアプリを伝えれば、AIが適切な項目を提案してくれ、実際に作成まで行える。初めてアプリを作成する方も安心して取り組める機能だ。例えば、「チームのタスク漏れが多いので、タスク管理アプリを作りたい」と依頼すれば、プロジェクトの担当者、進捗状況、優先度といった、必要な項目をAIが作成してくれる。
これまでのキントーンでもドラッグ&ドロップでアプリは作成できたが、どのような項目が必要になるかなど、作成者にある程度の知識が必要だった。「アプリ作成AI」を活用すれば、アプリ作成時間を短縮できるだけでなく、業務改善のヒントを得ることができるだろう。
AIと対話しながらアプリを作成可能。初めてアプリを作成する人でも安心して活用できる。拡大画像表示
実際に使用している企業からは「作りたいアプリのイメージをAIに相談しながら形にしていく体験が、初めてアプリを作成する人にとって良いサポートになる」といった声が上がっており、現場でのアプリ作成者の育成にも繋がると期待されている。社内でアプリ作成者を増し、「市民開発」を推進しようとしている企業の方々に、特に好評だという。
機能③:プロセス管理設定AIとは
「プロセス管理設定AI」とは、キントーンアプリに承認経路や業務プロセス(ワークフロー)を設定することができる機能で、2025年7月13日に追加された。ユーザーが実現したい業務や要件を対話形式で入力すると、AIがフォームの設定情報を自動で読み取り、最適な業務フローの設計とプロセス管理の設定を提案してくれる。提案内容はワンクリックで反映できるため、従来手間がかかっていた設定作業を大幅に効率化できる。この機能により、プロセス管理に慣れていない人でも、AIのヒントを活用しながら、スムーズに設定作業を進めることが可能だ。
プロセス管理を利用したことがなくても、AIと対話しながらぴったりなフローを設定できる。拡大画像表示
キントーンは、今後もAI技術の活用を通じて、すべての人にとって使いやすく、みんなが使える「AIの民主化」の実現や、チームワーク向上に貢献していく。
kintone AI ラボの詳細はこちら
キントーンの詳細はこちら
【関連記事】
“みんなが使える”が組織の力を底上げする 業務改革を加速させる「AIのはじめの一歩」を踏み出すには
<PR>