経営企画部のメンバーであれば、予算策定において事業部と経営企画部の間で齟齬が生じ、スケジュール通りに進めることができない、部門間の関係が少し険悪な雰囲気になるなどという事態に遭遇したことがあるのではないだろうか。経営企画部は、経営陣と事業部の間に立って予算策定を進めていくことになるため、双方の要望や意見を聞き調整しながら進めていかないと順調に予算策定を行うことはできない。経営企画部は、経営陣の代理だからとトップダウン的なコミュニケーションをすることは事業部の協力が得られにくくなるだけであり、最も行ってはいけない進め方だ。かと言って事業部の状況や要望を優先しすぎると全社的な予算方針と合わない、予算策定が遅延するなどの支障も発生する。このような事態を招かないために経営企画部はどう対応すべきなのだろうか。
予算策定をうまく進めるためのポイントはいくつかあるが、そのひとつを紹介する。それは「事業部への負担の少ないフォーマットづくり」ということだ。多くの企業でも予算策定のために実績データに販管費やその他共通費のロジックを組み込んだ情報収集フォーマットを作成して利用するだろう。そのフォーマットに事業部で考えている予算を入力してもらうという流れとなるのだが、このプロセスで大切なことは、「事業部の負担をできるだけ下げる」ことなのだ。事業部のミッションは顧客へ価値を届けることであり、予算策定の重要性は認識してはいるが優先度が下がりがちとなってしまう。そのため情報収集フォーマットも負担をかけすぎない配慮が必要となる。もちろん予算策定なので内容の精度も大切だが、事業部からのフィードバックが遅くなることで十分な議論の時間が確保できないという事態は避けなければならない。
この資料は、経営企画部の悩みともいえる戦略策定や予算策定における事業部や経営陣とのコミュニケーションのポイントについて解説している。実際に起きた事業部との齟齬の事例を元に具体的な解決方法が紹介されており参考になる内容だろう。「コミュニケーションに気をつける」とひとことで言えば簡単そうだが、留意すべきいくつかのポイントを改めて知ることで部門間の齟齬発生の回避に繋がるだろう。社内コミュニケーションという視点でもヒントが多いコンテンツである。経営企画部門の担当者はもちろん経営者や経営幹部には一読することをお薦めする。
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