文=鷹橋 忍 写真=フォトライブラリー

新田義貞像

義時亡きあとの鎌倉幕府

 大河ドラマ『鎌倉殿の13人』が、ついにフィナーレを迎えた。よってこの連載も、これいが最終回となる。

 連載最終回は、主要登場人物のその後と、鎌倉幕府滅亡までを駆け足で辿ってみたい。

 まず、ドラマでは描かれなかったが、北条義時よりも先に、小林隆が演じた三善康信(善信)が死去している。承久3年(1221)8月9日、承久の乱の勝利を見届けての死であった。享年82。

 元仁元年(1224)6月13日、義時が62歳で没すると、後継者をめぐるお家騒動が起きた。

 菊地凛子が演じた義時の後妻・伊賀の方(ドラマでは「のえ」)ら伊賀氏が、伊賀の方が産んだ新原泰佑が演じた北条政村を執権に、娘婿の一条実雅を将軍に擁立しようと企んだとされる「伊賀氏の変」である。

 しかし、北条政子が、山本耕史が演じた三浦義村を味方に付け、陰謀は潰えた。

 その結果、伊賀の方は流罪となり、坂口健太郎が演じた北条泰時が執権と家督を継いだが、この伊賀氏の変は、政子の陰謀ともいわれる。

 その政子も翌嘉禄元年(1225)7月10日に、69歳でこの世を去った。1ヶ月前の6月10日には、栗原英雄が演じた大江広元も78歳で病死している。

 義時、政子、広元と幕府創世の重鎮たちが亡くなると、いよいよ、北条泰時が幕政の大改革に乗り出す。